W.A.Production “Ascension” Review 💭

サンプルパックなどよく取り扱っているW.A.Productionから Ascension という複合型シンセが登場。
正規で8,000円くらいのところ、イントロ価格としてだいたい2,000円となってます。

試してみて結論いうと、驚くほど凄いものではないものの、あって困るほどのものでもないかな、でも買うほどのものでもないな、という印象でした。
通常だとレビュー(?)でもスルーするような代物なんですが、デモをインストールするときに幾つか突っかかるとこがあったので、もし同じように当惑されるかたがいらっしゃったらってことで書き残しておこうと思います。

ダウンロードと展開について

W.A Productionのサイトを訪れても結局Plugin Boutiqueからダウンロードすることになるわけですが、地味にファイルサイズがでかいです。9GB近くだったかな…。
ダウンロード完了まで待たされた挙げ句、zipファイルを展開する際に「ファイルが壊れています」とUnarchiverが警告を発して展開後にブツが揃わないことがあるみたいで、Macの場合はOS標準の「アーカイブユーティリティ」を使って展開したほうがよさそう。

展開後、「Ascension – Win & OSX」のフォルダの中を見るとまたインストーラーが圧縮収納されているので、もういっちょう展開します。これもUnarchiverは避けてアーカイブユーティリティで。

インストーラーの.pkgファイルがいる階層に淡白な内容のインストールガイドPDFがあり、「インストーラーをダウンロード後、データファイルもダウンロード」というふうに読めるのですが、実際にデータファイルはたった今「ASCENSION 1.0.1 SPECIAL EDITION DATA LIBRARY」の名で展開されたところなので、「え? どれのこと?」とWebを探しにいかなくていいです。

メーカー名について

実はAscension、W.A.Production製ではなくDMS Cubic Audioってとこの製品。
メーカー名で自動的にリストが整理されるLogicのプラグインリストではWのとこでなくDのとこに現れます。

仲介業者が挟まるのは別に珍しくもないけど、Ascensionの場合、W.A.ProductionとさらにPlugin Boutiqueが挟まって、いざってときにどこに連絡したらいいかわかりにくい。
おそらく使用上のトラブルか何かが発生した際の窓口はW.A.Productionで、だけど「DMS Cubic Audioに問い合わせてくれ」と言われる流れになる気がします。たらい回しにされたりして。

デモ版のノイズについて

W.A Production Ascension Is A New Multi-Engine Synthesizer Plugin
W.A Production Ascension Is A New Multi-Engine Synthesizer Plugin

何がいちばん書きたかったかって、コレです。
デモ版で一定時間経過ごとにノイズが鳴る仕組みは定番ですが、Ascensionはそのノイズがでかくて、突然鳴るので心臓に悪い。
轟音ではないけど、一般的なその手のインタラプトノイズに比べて倍くらいの音量じゃないかなあ。びくびくーっ!てなる。
それも比較的短時間にノイズが繰り返し鳴らされ、完全にシンセの音が消えるので、出音のあれこれを聞いて確かめたくても不快感がまさってイイ印象を持てない。
せめて、どこのメーカーだったか覚えてないけど、それなりにノイズでかくてもフェードイン、アウトする仕組みに倣っていただきたいものです。無駄に寿命が縮まります。

サウンド

プリセット音はイニシャル1288音色と多め。
いちばん質的に充実してるのはFXのカテゴリー。
データライブラリーの11GB(展開後)の大部分がFX用途で、…大容量のPCMが鳴るんならそりゃFXの音は面白い…ん? いや、何かソフトシンセのアイデンティティにちょっとした違和感を感じたけどまあいいです。

ベース音色は数多い割に全体的に地味で、EDM的なシンセベースの補強音源とは考えないほうがよさげ。
ピアノ音色はKORG M1のをそのまんま持ってきてるね。パテント大丈夫かな。

それから、シンプルでサクサク動きそうな見た目に反して音色の読み込みは重め。Arturia Pigmentsほどではないにしても、サクサクとは言い難い。
プログラマーじゃないので門外漢としての感想になりますが、(エンジンの切り替えが必要ってわけでもなさそうな)パラメーターの記録だけで済んでいそうなプリセットの読み込みってこんなに時間かかるもんなんでしょうかね。
Serumも若干重めの印象ありますけど特殊なタイプのフィルターの環境作りに端を発するタイムラグがあるんだろうって理解してて、そんなに苦じゃない。

全体的な音質は比較的存在感があって、方向性としてはDS Thornに近いけども、サンプリング周波数が低めに聞こえるDS Thornより断然輪郭はハッキリしてます。
定位も今っぽい感じで、他のシンセと一緒に鳴らしたら馴染みつつしっかり聞こえると思います。
OSC4機に対してMod MatrixやLFOの数は同類のシンセSerumやSpireに比べると控えめ。
なので、どちらかというとダイナミックな電子音を作っていくよりもPCMをうまくレイヤーさせた有機的な音を作っていく使い方のほうが向いてるんじゃないですかね。

個人的には、冒頭に記したように、買うほどのものでもないかなと。
辛めの感想かもしんないけど、ちょっとね、デモ版とはいえノイズの印象が悪すぎ。むしろPlugin Boutiqueの評価が甘すぎるんじゃないのかなあ。

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