VSLからピアノ音源が一挙3作

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VSLからピアノ音源が一挙3作

VSL(Vienna Symphonic Library)からピアノ音源が3ついっぺんにリリースされていますね。

Studio Concert D 1887の詳細情報ページ
Vienna Symphonic Library社製 ソフト音源 「Studio Concert D 1887」の製品詳細情報ページです。
Boesendorfer Imperial Essentialsの詳細情報ページ
Vienna Symphonic Library社製 ソフト音源 「Boesendorfer Imperial Essentials」の製品詳細情報ページです。
Yamaha CFX Essentialsの詳細情報ページ
Vienna Symphonic Library社製 ソフト音源 「Yamaha CFX Essentials」の製品詳細情報ページです。

どうもVSL製品はふだん使用しているひと以外にとってわかりづらいので、ひとまずこの3製品をネタに簡単に整理しておこうと思います。

製品ラインについて

  • Studio 〜で始まる音源は基本的に、Vienna Synchron StageのステージB(やや小規模なスペース)かサイレントステージで収録されたもの。ステージAのゴージャスな響きに焦点を当てたSynchronシリーズとは別で、楽器の響きに焦点が当たっています。
  • Essentials のついた音源は既に発売している製品のコンパクト版で、「いい音のまま読み込みが速い」一方、こだわろうと思うと何かしらボトルネックになる箇所があると思われます(詳細割愛)。
    • Essentials の上位版にあたるのがスタンダード版で、さらにその上にフル版があります。スタンダード版とフル版という対比はVSLの製品全般でそうなっています。両者の違いはマイクのセットアップが増えること。Sonicwireでは、スタンダード版にエクステンド版を加えてフル版になる、という形で扱われています。

Synchron Pianosについて

表記上の問題と思われますが、今回発売されたEssentials版ではSynchron Piano Playerが同梱と記されているのに対し、スタンダード版ではSynchron Pianosが同梱と記されています。

SYNCHRON BOESENDORFER IMPERIALの詳細情報ページ
VIENNA SYMPHONIC LIBRARY社製 ソフト音源 「SYNCHRON BOESENDORFER IMPERIAL」の製品詳細情報ページです。
SYNCHRON YAMAHA CFXの詳細情報ページ
VIENNA SYMPHONIC LIBRARY社製 ソフト音源 「SYNCHRON YAMAHA CFX」の製品詳細情報ページです。

VSL本家ページでそう記されちゃっているのが元凶なのですが、結局どちらもSynchron Piano Playerが同梱されていると考えられます。
Synchron PianosというのはVSLで扱われている一線級のピアノ製品の総称で、「それらに共通して使用されているエンジンである」意味合いで”Synchron Pianosエンジン”と表されています。上述の製品ライン同様、Synchron PianosとStudio Pianosのラインがあり、それぞれに総合バンドルがあって、しかし再生エンジンには共通のSynchron Piano Playerが同梱されていると考えるとよさそう。

LOSSLESSについて

正直、これがいちばん厄介なのですが、「ピアノ音源は順次サンプルをロスレスに変更してサイズ軽量化と読み込み速度の高速化を図ります」と告知があったものの、どこまで進んでてどのライブラリーが対応していて、あるいは頓挫しているのかもわかりません。聞くところによるとまだ過渡期らしくはあるのですが。
その辺り進捗状況がVSLの各製品ページのSpec欄で確認できるのかなと思いきや、特に書いてもおらず(サポートページにあるとも聞いたが見つけられなかった)。

おそらくですが、Studio Pianosのラインはおおかたロスレス対応が済んでいるのではないかと思われ、Spec欄には次のような文章が見られます。

Minimum OS for lossless data compression on Apple computers: macOS 11 Big Sur. Requires higher storage space under older macOS.

Studio Pianos Bundle – Vienna Symphonic Library

いわくBig Sur以降のmacOSじゃないとロスレス対応できず、未満のOSでは非圧縮のライブラリーが用いられるということのようです。エンジン部にロスレス展開する機能が備わってるわけではない、ということかな。そしてWindows側の対応についても特に明言されている箇所がないようで、Windows 10, 11ならば問題ないとされているものの確たる証拠がない現状です。


概ねこんな感じ?

製品Studio Concert D 1887Bösendorfer Imperial EssentialsYamaha CFX Essentials
製品ラインStudio PianoSynchron PianoSynchron Piano
Essentials(コンパクト版)
スタンダード/フル版へアップグレード可
Essentials(コンパクト版)
スタンダード/フル版へアップグレード可
上位バンドルStudio Pianos Bundle(2025年10月現在含まれない)スタンダード/フル版はSynchron Pianos Bundleに属するスタンダード/フル版はSynchron Pianos Bundleに属する
収録場所Hall BHall AHall A
エンジンSynchron PianosSynchron PianosSynchron Pianos
再生ソフトSynchron Piano PlayerSynchron Piano PlayerSynchron Piano Player
ロスレス済?
(macの場合Big Sur以降のみ)

購入に際しては以上の点に留意いただき、懸念があればサポートに問い合わせてみるのがよいかなと思います。