Vir2 “SkyGlow: Light Atmosphere Designer”


Vir2からKontakt Player対応の新作ライブラリー、SkyGlow: Light Atmosphere Designerがリリースされています。NFRをいただけましたので、簡単にレビューなどさせてもらいますね。
オーバービューやプリセットの紹介など動画をドドドッと貼ります。
どこにもハッキリと明言されてはいないのですが、Aura: Atmospheric Drone Builder(Vir2サイト、
Sonicwire)のエンジンを流用したものと思われます。残念ながらAuraのNFRはいただいていないため比較はできないのですが、近年多くのデベロッパーからリリースされたXYパッドに素材を読み込む系のライブラリーとしては比較的よくできたほうのエンジンだと思います。
「比較的よくできたほう」とわざわざ書いたのは、まず4つものオーディオデータを(有限かつ固定とはいえ)ローカルドライブから拾って読み込むのが重くなりがちなわりにサクサク読み込めるようになっていてそこは評価に値する一方で、そうしてオーディオデータを読み込んで波形表示するわりには機能の奥行きがあまり深くない、という理由。
ただ、これはKontaktの仕組み上しかたなくて、波形を読み込んだらその状態でグラニュラーとして再生したかったり逆再生(これについては、REVという名称で逆再生のサンプルが別途収録されている;かさ増し的な目的を兼ねてるとするとちょっとどうかとは思うが)したり、ピッチエンベロープを付けてみたりしたくなっちゃうけど、できるのはルートノートや演奏範囲の設定、再生開始ポイント、ループポイントの移動くらいで物足りなく感じちゃう。
エンジン部分を流用したということで、本製品を評価する焦点は、収録されているサンプルとそれらの取り合わせの妙(つまりプリセットのクオリティ)ってことになります。ちなみにサンプルは圧縮ファイル(ncw)。
サンプルの収録内容は好みによると思いますが、トーナル(音程感がある)とアトーナル(音程感がない)が結構な数で収録されていて、内容も決して悪くはありません。イメージ的にはOmnisphereに近い。
基本的には、言うまでもありませんがメインを張る音というよりも背景音としてモヤーッと漂わせたり、ふつうの楽曲にスパイスとして加えたりするような方向性の印象が強い。むろん、これは使い方によります。この辺りは動画を確認いただいたほうがいいかもしれない。
もっと言ってしまうと、動画に収録されている内容がすべてと言ってよいでしょう。
加工エンジンについては、先ほど上にも記したように充実してるとは少々言い難く、加工でサウンドが大化けするとは考えないほうがよさそう。大きく音を変える要素は内蔵エフェクト止まり。この辺りはSoundironのほうが突拍子のない音を作れて面白いのですが。
4つのサンプルに関してはレイヤー再生するもよし、キースプリットで制御するもよし。ここは使いやすくできています。
総評として、サウンドデザイン的な用途にはうってつけ。楽曲への活用用途としては単体じゃ物足りなくて、人力でカスタムしたり別途DAW側で加工することを考えたほうがいい。収録サンプルは方向性が多岐にわたり面白く、また実用性の高めなものが多い。大味ではないけど、日本人の好む音より少し味が濃いめな印象あります。
もし既にAuraでクオリティや使い方に通じている人がおられたとすれば、その表現力を拡張カートリッジ的に追加するものと考えてよいかと思います。
Vir2はBigFish内でもちょっとだけ高級製品を扱うブランドって印象があります。
ブラスだったりマリンバだったりギターだったりと幅広い素材を扱いつつ、しかしあまり知名度が高くない。
AuraやSkyGlowのエンジンに若干物足りなさを感じはするものの出来が悪いわけではありませんし、前の日記で書いたSoniccoutureの製品同様に通り一遍のシンセ音色やPCM音色とは一線を画す代物と思ってます。願わくばラインナップ的に充実し、クリエイティブな仕事の必需品となっていくことを祈ります。