UVI “Falcon 1.4”

さて、 UVI の製品の中でも際立って技術臭の高い UVI Falcon が、 Anniversary ってことで1.4にアップデートされました。発売記念日というわけではなさそうなのだけど。

初期の Falcon については、かつて記したように、技術の高さは感じるけどプリセット音色の実用性や音作りの手間を考えると「う〜ん…」と戸惑ってしまう出来でした。

ちなみに Falcon 1.4 でググるとカメラのモデルの名前にもあるのでややこしいです。

1.4での追加機能は

The update includes new event modules, an updated multi-envelope modulator, an integrated search tab, and 100 newly crafted factory presets.

UVI Launches Falcon v1.4 and Anniversary Promotion | KeyboardMag(アーカイブ)

イベント・モジュール、機能強化されたマルチエンベロープ・モジュレーター、検索窓、追加プリセットと。

UVI Falcon - クリエーティブハイブリッドインストゥルメント
UVI Falcon – クリエーティブハイブリッドインストゥルメント

とりわけ1.2.3だったか以降で追加されたプリセット音色に、今回さらに数が加わったプリセットの音色はかなりシリアスにインパクトが大きい。
質が格段に向上していて、エレクトロニカ方面や映画、劇伴系の制作者には有り難いアップデートになるのではないかなと思います。
かつてのチャチ目な音色はチャチ目な音色で必要になる場面もまたあるので、あとはまあ、自分が活用できるかどうかってだけの話かも。
Info画面もオシャレになり、ちょっとやる気が出ます。

ここで使われているメインの音色はちょこっと古い印象かな。
個人的には、解説者自身が自画(自社)自賛している音色がたしかにクオリティ高いです(via Video: UVI Launches Falcon 1.4 Hybrid Instrument & Anniversary Sale | Emusician(削除されました))。

…が、50秒辺りでマルチエンベロープ・モジュレーターの説明で用いられている音色の同期がズレて聞こえるのが若干気になりますね。
Falcon側というより DAW 側でのレイテンシー検出ミスかと思われますが、たとえば Logic でいえば Bounce In Place を使うと同期がズレた状態でレンダリングされ得るってことを意味しますんで、そうしたエラーを吸収するゆとりを Falcon が持ち合わせていないってことになります。
だとしたらパフォーマンスとしてはちょっとよろしくないです。

もともと MIDI 情報を受けてから出るサウンドの微妙な不安定さが気になっていたので、これが根本的に解決されないと EDM 系には使いにくそう。
その意味で、「エレクトロニカや映画音楽、劇伴には」と先ほど書いたのもあながち間違いじゃないかもなと思っています。

ひとまず1.4から新たに加わったプリセット音色群は創作意欲を掻き立てられる代物でしたんで、当面楽しく過ごしていこうと思います。