UJAM “VIRTUAL DRUM HOT”

しばらくUJAM製品を見ていなかったんですが、9月に新しいドラム音源 VIRTUAL DRUMMER HOT(VD-HOT)がリリースされていたらしく、遅ればせながら簡単にチェックしました。

ドラム音源シリーズの中では少しお高めですが、一応まだBFセールの対象みたいですね(SONICWIREだと 〜12/4、Plugin Boutiqueはわかんない)。
ざっと一通りドラムセットやドラムパターン、各パラメーターの実用性、あと他のソフト音源と合わせて鳴らしてみた印象として、機械的な印象は免れないものの、ダイナミクスの付き方、ロードの速さ、質感の調整はかなりのものと思いました。

競合他社のこうしたハンディなドラム音源が、ビンテージリズムマシンのサンプルをどうにかこうにか今の音楽に合うように調整して、それでもそもそも元サンプルが現代のサウンドに合致してないせいで違和感を残してしまうのに比べると、完全新録って感じで、うまいこと軛を断ち切ってる感があります。レトロスペクティブの執着から解放されているというか、いいほうに吹っ切れているというか。
もちろん好き嫌いはあるはず。自身の作風とテイストが合う保証まではできません。が、質感の調整ができることはもちろん、プリセットのドラムパターンが気に入らなきゃ自分でフレーズ打ち込めばいいわけで、見栄えはともかく、非常に良い方向に進化していっている気がします。同社の他製品と同じで、ウィンドウサイズがこの程度で収まってくれているのも大変よい。ウィンドウのデカさやアニメーションギミックで製品クオリティを誤魔化しちゃダメですよ>他社

いわゆるFunky Drummer的なドラムセット&ドラムパターンも収録されているんですが、少なくともVerse(平歌)、Chorus(サビ)、Breakdown(中間部;落ちメロみたいなとこ)と用途のバリエーションがありますし、それ以前に各サンプルがラウンドロビンで収録されていることもあって、単なるサンプルループでなく、生身っぽいニュアンスを持ちつつ他トラックと混じり合ってくれるのが有り難いところです。

あ、あと空間系エフェクトは秀逸。スプリングリバーブが生々しい。
ときたま、アタックがキツ過ぎることがあって、これは調整した上でミックスする必要がありそうですが、元のサンプルに手を入れるか、RXでde-clickしないと抜本的な解決は厳しそうに思います。

収録されたドラムセットが5つとのことですが、だいぶ幅がありつつ、かつ手堅いものだけチョイスされており、たとえばスネアの胴がもう少し浅いといいみたいな、こだわりのニーズには応えづらい。特にタムやクラッシュは曲展開にとって大事な楔の役目を果たすのでこだわりたいとこでしょうけど、そこまではついてこれません。
だけど、こうしたとこは同社の他製品も同じ。なので、割り切るとこが自分のそれと合致してるかどうかで導入の可否を判断するといいんだろうなと思います。

総合して、非常にいい印象です。

情報

  • Windows, macOS対応(Silicon対応)
  • VST2, VST3, AU, AAX
  • 定価$99、セール$69.30
  • ダウンロードとインストールに要UJAMアプリ