UJAM 製品のトライアル使ってみた

UJAM からのメールがしつこいので、トライアル版を試してみることに。
つか、ちょくちょく書いてるこういうトライアル版のレビューって需要あるんかな。製品紹介にはなるのかしんないけど…。

Black Friday 〜 Cyber Mondayの関係でおおむね全製品が半額になっていて、これは国内だとSonicwireでも同様。Media Integrationは…セールにゃなってないようですね(すっげえ見にくい)。

BEATMAKERシリーズ

  • Dope : Boom Bap, Hip Hop & Rap
  • Hustle : Trap, Grime, Dirty South
  • Eden : EDM, Big Room, Rave

プリセットで何とかせえという設計になってて、これを良しとするかどうかに尽きます。プリセットの出来はそんなに悪くない。
個々のプリセットにキットが各5種類、パターンが複数備わり、KickとSnareのバランス、DJ EQ的なsweep、クオンタイズ(DopeとHustleは揺れの鈍化、Edenはスウィング強度)、Ambience(リバーブ)、あと全体にかけるエフェクトが設定できます。個々のパーツは多少ディケイやピッチがいじれるくらい。
LogicのDrummer機能のDrum Machine Designerの機能縮小版、XLNのXOのやや多機能版といった位置づけではありますが、拡張性はいずれにも劣りますかねえ。音色とグルーブがセットのワンパッケージ製品なので、ソフト自体がバージョンアップしない限り使い続けるのは厳しいんじゃないでしょうか。
無難なものを刹那的に作るならこれでいいんでしょうけど、野心のある人には物足りなく感じる場面が多そうな印象です。

個人的には、この内容ならDAWのプラグインよりスマホアプリにしたほうが色んな場面に活用できていいんじゃないかって気がします。

VIRTUAL BASSISTシリーズ

  • Mellow : Smooth & elegant fingered upright bass
  • Rowdy : Powerful & roaring picked electric bass
  • Royal : Noble & expensive fingered electric bass

音色は素晴らしく良く、サウンドメイクの幅も広い。たぶんいま世に流通してるベース音源の中では最高峰と思われます。強弱やミュート具合をベンドやホイールでぬるぬる調整できるのも良い。
ただPlayerモードでのフレーズの幅が恐ろしく少ない。Dubbyのプリセットを選んでもレゲエ調のフレーズが見当たらず「???」となりました(※Dubbyの意味範疇にハッキリとしたものはありませんが、ベースでDubといったらモコモコの音色よりフレーズのほうが印象強いんじゃないかと思う)。
Instrumentモードでのレガートなど、IKのMODO Bassではわずらわしかったものが自動で行われるのは有り難いものの、自動であるため制約が生じますし、J-PopやJ-Rock、J-Fusionで好まれる瞬間的なダブル/トリプルストップ奏法(コード弾き)は再現が厳しそう。
ピック、ツーフィンガーとパッケージは分かれているものの、スラップは無し(アコベでも)、スライドも2種類しかないのでぐいぐい引っ張っていくベースフレーズを作るよりは、打ち込み色を薄めた手堅いベースパートを作っていくためのものとして捉えるべきかも。
低音はドロップDが限界なので、オーソドックスなジャンルまでが守備範囲ってとこでしょう。
音がいいだけに残念です。

VIRTUAL DRUMMERシリーズ

  • Heavy : Hard-nosed & forward
  • Phat : Funk-a-licious & groovy
  • Solid : Gold-plated perfectionism

製品ラインナップとしては存在していますが、他社製品と比べて素晴らしいと言える点はあまりないかもしれません。
しいて言えば、各プリセットにおいてキックやスネア、タム、ハイハット、ライド、クラッシュがいずれも複数用意されているため、NIのAbbeyRoad Drummerのシリーズのようにスネア1個がどうしても気に食わないためドラムセットごとロードし直しみたいになる可能性が低いとこかな。各セットもそんなにデータサイズとして重くないので仮にまるごとロードし直しになっても待たされる時間は短い。
ベロシティレイヤーはかなり多めですが、そんなことよりRound Robinの仕組みにしてくれたほうが打ち込み臭さが薄れていいはず(Humanize機能はついてる;その面も含めてNIのAbbeyRoad Drummerの位置付けに極めて印象が近い)。
邦楽でのドラム、特にタムは軽めの音が好まれる傾向ありますが、DAW純正のものも含め、概してお仕着せのドラムの音は重い。その調整がこの製品ではしにくいので、ふだんの制作分野によってはこの製品、あまり魅力的に見えないかもしれませんね。

VIRTUAL GUITARISTシリーズ

  • Amber : Warm & shiny strums (ガットギターのコード弾き)
  • Carbon : The Toughest Element (エレキのリフ、コード弾き)
  • Iron : Hard & roaring power chords(レスポール系のリフ、コード弾き)
  • Silk : Smooth & elegant accompaniments (アコギのアルペジオ弾き)
  • Sparkle : Glamourus and catchy licks(ストラト系のリフ、コード弾き)

いずれもやはり素晴らしく音色はいいです。ピッキング位置、アンプの選択結果のリアリティは、ギタリストじゃないのでそれなりの耳しかないけどそれでも見事だと思いました。
ギター専用音源も幾つか出てますが、打ち込みでやろうとすると、ミュートし切れてない弦の雑音が無かったり、強く弾いたカツーンという感じが出にくかったりして曲にダイナミズムが備わらず、仕方なしに音の厚さで誤魔化す他なくなるんですね。それが解消される可能性あるのは有り難い(にも関わらずいつもの調子で音の厚さで覆い隠しちゃうと効果が台無しになりますが)。
ただ雰囲気が抜群なぶん、Amberのアップ/ダウンストロークの質感の差や、IronやSilkのサウンドのリリース感などかえって端々に嘘臭さが感じられてしまうのも事実。ピアノもそうですけど、音のリリースの部分にその音色らしさの「とどめ」があるんですよね。
NIのSession Guitaristシリーズと操作的に結構似た部分が多いのですが、音作りのしやすさはこちらが断然上。フレーズはこちらもあまり多くはないです。

総評

この中で自分が買うとしたら、いまの僕の環境で手薄なアコベ(Mellow)かな。ルームリバーブの具合、質感の幅は随一。出番はきわめて少ないけど、聞いた人に衝撃を与えるレベルだと思います。ギター系はまだ何とか誤魔化せそう。

総じて、オーソドックスな音楽を作るときには絶品。
でも長年音楽をやってる人にとっては別段、新しい感覚をもたらしてくれるものじゃなく、道具ではあっても恩恵ではないという印象です。

で、あまり自由度を増しても製品価値がぼやけてしまうので、気になるところは多々あるけれど、現状で最もいい形になっているとは思います。
ただもしユーザーにさらなる可能性を提供するというのであれば、AmberにCarbonの仕組みを通せるようにするとか、ひとまず「うーん、この曲にアコギはないな」となったときにプラグイン規模で差し替える手間が無くなってくれるといいかなと思います。

その他

少しサイトが見づらいですね。製品のアイコンをクリックしたら製品ページに飛ぶかと思いきや飛ばない。
Free Trialでたまにロード中のままずっと待たされることもあります。

ソフト自体は美しくまとめられていますが、操作の手応えが若干乏しいかもしれません。
それと<>の選択ボタンの当たり判定が厳しく、サクサク進めていこうとするとこれだけでイライラします。

まだしばらく半額セールが継続すると思います(ものによっては12/2いっぱいってものもありそう)。必ずしも僕のレビューが他の方と合致するとは思えませんし、気になる製品あれば、まずトライアルで試してみることをオススメします。

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