Ueberschall のElastik対応音源

ueberschall.com | Trumpet Solos - Virtuoso High-Notes Performances
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別段新しいソフトでもなくて、去年の1月にブックマークした製品なんですが、今日はお仕事の関係で Uerberschall のElastik対応製品を物色していました。
Elastikエンジン自体は既にかなり前に世に出ているもので、当初は決まった楽器フレーズにMelodyneがくっついて売られているものという認識だったのですが、いつの日かバージョン3になり、エンジン単体のフリーDLができるようになっていて、試しに小一時間使ってみて、意外に自由度が高いんだなあと感じました。

実際けっこう面白く使えるエンジンで、インターフェースが少々むかしのPCっぽい(というかDOSっぽい)せいで直感重視な人にとっては距離を感じちゃうって点を除けば、一時期のGaragebandや、現バージョンのLogicのLive Loopsに慣れてさえいればそんなにハードルが高いわけでもありません。
あとは製品ラインナップと価格がユーザーにとっての判断材料になるんだろうと思います。サンプルパック等と比べると割高感は多少ありますしね。

ジャズ系の製品を幾つか見てみて、Trumpet Solosもその1つなんですが、作り込まれすぎてないのがとてもいい。あらかじめラジオ加工など施されたサンプルが流通上すっかり一般的になってますんで。
なので、デモ音源だけ聞くと妙に音の距離感が近い印象を受けます。これ、ソフト内でのピッチ変更やフォルマントシフトなどの加工による劣化を最低限に抑えるためでありつつ、ユーザーによるミックス(加工)の余地を残してあるってことでもあります。したがって、その点を差っ引いてデモ音源に耳を傾ける必要があります。チャチい?と判断するのはやや拙速。

ちゃんとナマ楽器で演奏したものを充分な長さで収録しているというのも希少価値があります。ギターも、ベースもですね。ハウスものの音源も、加工の余地を残した非常にクリアな音でした。これを聞いちゃうと、今のサンプルパックで手に入るギターの音って(たぶんソフトウェアのアンプシミュのせいじゃないかと思うのですが)少々レンジが狭すぎな気がします。
で、ハウスはともかく、ジャズ系の音源を幾つか聞いてみた中では、ピアノの伴奏だけが少々初心者っぽくて気になったのですが、それ以外は堂に入った感じ。サックスは若干音符を詰め込み過ぎかもですね。
あとはElastik仕様の制約というか、(本来は可能なんですけど、データとしてややこしくなってしまうため)アウフタクトできないってのもネックとしてはあるかな…。

今までそそられなかったんですけど、製品群を物色してみると刺激を受けるものも多々あり、ちょっと自分の中で評価を上げていいのかもと思いました。
1製品内のフレーズのバリエーションはもっともっとあっていい気はしますが、これまでの小規模なサンプルパックでは物足りなかったオーガニックな部分が不自然さなく補えるとなると、案外絶妙な選択肢になりそうです。
ただし、身近に巧みな演奏ができる方がおられたり、いい音を存分に収録できるスタジオを自由に使える方には、この製品の必要性はさほど高くないかもですね。