Two notes “GENOME” -2

Two notes “GENOME”

以前取り上げてはいましたが、Sonicwireでの取り扱いが開始されたことと、記事を書いた当時と違って自分でもギターを録るようになって少し印象が変わったこととがあって、改めてTwo notesのGENOMEについて感じたことを記しておこうと思った次第。

Two notes “GENOME”

Two notesといえばTorpedoが知られていて、ジャンル関わらず、ギターサウンドを作り上げるにあたって有効なソフトとして名前を聞くことがまあまあありました。
残念ながら自分の周りには利用者がいませんでしたが。

改めて質感を味わう

先に記したように自分でも弾いて録るようになって、フリーのもの、基本無料のもの、別のソフトのオプション的なものなど試しつつ曲を納品などしたりしてきて、「自分自身、手慰みで弾いてる程度だし、アンプシミュを通したとて、このくらいの音だよね。」といった感覚でしかなかったわけです。

ところが、Sonicwireでの取り扱いが開始されたことで改めて動作確認してみる（意外なことにデモ期限が切れてなかった；NFRの提供は今回なし）と、ほかのとずいぶん質感に違いがあるなと。

エクスキューズ的に記しておくと、Torpedoの音は知らない。あと最近多く見かけるIKのも試してはいない。
また、質感の違いは自分の音の嗜好にもよる可能性があります。つまりカリカリで嫌だなあと仮に感じたとしても、実機もそういう音なのであれば再現性は高いといえるわけで。あと、レイテンシーもかなり小さく設定しました。
ひとえに、気休めでも幾つか比べてきたってのが大きいのかもしれない。

そうしてひとまず自分がかき鳴らしたとき、初めて耳にしたときはアンプシミュ特有のディップを感じて正直「また、これか」と感じたのだけど、数秒弾くうちに違和感がなくなり、むしろ演奏の実感がほかに比べると強いことに気づきました。
良くも悪くもタッチが如実に現れます。特に弱く弾いたときや短いディケイでの減衰時に不自然さが少ない。

もちろん何年もギターを弾いてる人や録音現場で毎日モニターしてる人からすると、それなりに違和感があるんでしょうけど、弾く側がもしある程度違和感を覚えずにパフォーマンスできるならば、及第と考えていいんじゃないのかなと。

デフォルトで何が備わっているのか

ちなみに価格がかなり抑えめなので、他社製品同様、デフォルトではロクなバリエーションが含まれてないのではないかと思っちゃいますが、自分がチェックしたのはデモ版に他なりません（つまり上に書いた感想はデフォ状態でのものということ）。
充分なプリセットが揃っているかと言われると、わりと多い方ではないかなと思います。ただクリーントーンはもう少しバリエーションがほしい。
追加IRは、巷に転がっているものをある程度使えるらしい（詳細は製品ページ参照）のと、SWでは扱われませんがエクスパンションを本家サイトから購入でき、拡充の余地がふつうにあります。エフェクトはこの先増えるのか明らかではありませんが、たぶんよほどじゃなきゃ増えないと思います。

DynIR (Dynamic IR) Cabinets

インターフェースにぶっ刺してアンプシミュ、キャブシミュ、ペダル、FXを含めた内部完結スタイルで扱うこともできるし、インサートチェーンあるいはかけ録りを介したハイブリッドスタイルで扱うことも当然できます。
残念なことに他社製品にはふつうに備わっているスタンドアローン版がGENOMEに現状ないので、手隙で気まぐれにギターを弾いて気分一新みたいな使い方には向いてませんね。VSTホストみたいなの使えば、ライブ等でも使えるとは思いますが、はたしてシンプルなVSTホスト経由で実力発揮できるかは定かじゃありません。

用語の多さはビギナーにとってネックかも

デフォルトで何が備わっているのかと上にも記したように、サイトをぱっと見て何がどこまで備わっていて、どこからが追加購入になるのか、正直まるでわからない。
なので、大体は既にパッケージされていて、その上でこのお値段で提供されるようですよ、というのを記した次第です。

自分の解釈でいうと、コアといえるのがDynIRとTSM。それぞれスピーカー（部屋鳴りやエアー含む）への流動的なマイキング機能（キャブシミュ）と、アンプ部分を再現する技術（アンプシミュ）に当たります。
PEDALSがペダルエフェクターで、STUDIO FXが追加エフェクト、みたいな理解をしとくとよさげ。
RIGってのはいわゆるプリセットのこと。
なので、製品ページの上のほうにあるエフェクトの結線図みたいなものは、「きちんと全部入っていますよ」って図であって、「これを全部買って揃えなさい」という意味ではありません。
in-the-boxとあるのは内部完結、一台完結と捉えるとよく、hybrid backlineとあるのは上に記したように他のソフトやハードと合わせて使うと捉えるといいでしょう。

What’s includedってページがありますが、トップページからはTSMやPEDALSからも同じページに飛ぶわけで、クリック時にいちいちURLを確認しないから、初見だと「ん？」ってなりますよね。

うちで導入するかどうかは、ちょっと悩ましいところ。あって困ることはもちろんないんですが、そこまで出番が多くないんだよなあと。