短い記事なので訳しちゃいます。
今どき誰がモノラルミックスなんてするかって? そりゃ実質ゼロだろ、それにファイナルミックスをモノラルに仕上げようなんて思うひともいない。だけど全チャンネルをセンターにしてミックスし始めると、いつもはパンを振っていて問題視していなかったはずの、干渉しているトラック同士がすぐにわかる。
たとえばギターとピアノは帯域がカブっている。ステレオ状態だと分離しているのにひとたびモノラルにすれば互いに阻害し合い得るのだ。この場合、EQは差別化に役立つ、つまりピアノのローエンドを持ち上げ、ミッドに落ち着かせる一方でギターのローをそっと削りブライトネスを加える(逆にピアノをくっきりさせてギターを奥に引っ込めるのもいい)。
モノラル状態で音の分離がいいようにとトラックに対して取り組むと、その後パンを振ってステレオ定位を作ったときにその音は見事にスッキリする。空間や明瞭さを味わえて、ミックス作業で受ける恩恵も絶大だ。
次にミックスするときには、上のAbleton Liveでのスクショのようにまずセンターに定位させよう。ミックス以前の問題である箇所をどれだけすぐに特定できるか驚くことだろう。
Craig’s Production Tips #4: Try starting your mix in mono! – gearnews.com
なお、これがシリーズの#4で、ここまでは何が取り上げられていたのかというと、
- レベルを変えることなくミックスのバランスを整える
ここでは、ノートの位置を完全にはグリッドに揃えず少しバラけさせることで音を大きく聞こえさせたり、EQのオートメーションで音量に変化を与える方法が記されている。 - ミックスを少しエレガントにするグルーコンプの使い方
これはちょうどArturiaから「3 Compressors You’ll Actually Use」(Arturia 3 Compressors You’ll Actually Use – makou’s peephole)が発売になった流れで記されたもの。 - EQだけを使ってアンプシミュライクな音を作る
これは表題通り。
といった感じで、なにか思いついたら随筆的に書くっていう、うちの日記とあまりスタンスの変わらん連載となっているようです。
ステレオであることが在り来たりな今、モノラルって概念がわからない人たちもいると思います。若い世代とか特にね。
となれば、モノラルにすると問題箇所がわかりやすいというのも案外盲点である可能性がありますね。