Toontrack “Superior Drummer 3” 出そう

Superior Drummer 3 Announcement
Superior Drummer 3 Announcement

Toontrackの主力製品の1つである Superior Drummer 3 が9/12に登場する見込み。その名の通り、既に10年も前になるSuperior Drummer 2のネクストバージョン。

The complete drum production studio.

Toontrack Superior Drummer 3 coming September 12th

Toontrack’s ultimate drumming tool gets updated

Toontrack Superior Drummer 3 新機能など

Rekkerd.orgとMusicRadarおよびメーカーサイトの情報を見る限り、この辺りがポイントになるようだ。

  • ベルギーのGalaxy StudiosでGeorge Massenburgによってレコーディングされた230GBのコア・サウンド・ライブラリー。サウンドフォーマットは、44.1kHz/24bit
    参考までに前バージョンは19GB。  
    • 購入時のオプションでSSDによる配送を選択可能らしい。
    • Ayotte, Yamaha, Gretsch, Ludwig, Pearl, Premierの基本6キットに、追加のバスドラとスネア、シンバル。
    • ものによってはドラムヘッドの選択肢も(一部のライブラリーには備わっていたものなので、格別新しい機能というわけではないかも)。
  • アンビエンスの素材を追加し、最大で 11.1chのサラウンドシステムに対応(コア・サウンド・ライブラリーの容量が爆発的に増えた一因と思われる)。
  • 以前のX-drum機能に相当する、ライブラリーをまたぐパーツの組み込み機能の改良。
  • “トラッカー”なる、オーディオからMIDIへの変換(おそらくトランジェントを抽出する機能かと思われる)。
  • 新たに加わった35のミキサーエフェクト。
  • スケーラブルなインターフェース、およびウィンドウのデタッチ(分離)。
  • MIDIライブラリーの増強。
  • マクロによる、DAWからのオートメーションの簡便化。
  • ドラッグ&ドロップによる、サードパーティ製オーディオデータのインポート。
  • キーボード・ショートカットへの対応。

あとは見た目として、ちょうどこの間 The Progressive Foundry の記事で書いた、

立体感あふれるSuperior Drummer 2の画面もだいぶ時代遅れなのでスッキリさせたほうがいいと思う。

Toontrack “The Progressive Foundry” – makou’s peephole

の立体感が排除され、フラットデザインになった模様。
ただずいぶんStudio One 3じみた風合いになった印象があるので、PreSonusからイチャモンがつかないか心配なとこはある。大きなお世話か。

価格は、新規購入が$419(¥47,000くらい?)、Superior Drummer 2からのアップグレードが$209(¥24,000くらい?)、 EZdrummer 2からのクロスグレードが$319(¥36,000くらい?)なので、国内代理店で購入する場合は日本円換算に1割程度上乗せになるくらいで考えりゃいいかな。わかんないけど。
先述のSSDでの配送は$199がよけいにかかる。

所感

今後の拡張音源の見通しを知りたいなあ

個人的なとこで、Gretschの太い音が好きなので(一方、全体的に乾いて響くLudwigがあまり好きではない)デフォで備わっているというところにすごく惹かれる。
今回デフォのセットがすごく充実しているということで、今後もし追加ライブラリーが発売になるとするとまた結構な容量のものがリリースされることになるのだろうか。
また和楽器の音が必要ってことでBFD 3を使った話を書いたのだけど、実際にはあまりに操作しにくくて結局そのライブラリーから直でオーディオファイルを引っ張ってきてDAWに貼り付けたのだった。
そういったふうに、ドラムセットと似て非なるパーカッションセットのライブラリーが登場するかどうか、そして新しいインターフェースでそのサウンド群を便利に使えるのかも少々気になる。

無圧縮はいま誇れるのかな

先ほどの箇条書きで、ちょっとビックリしてつい下線を引いてしまったように、収録された素材のサウンドフォーマットは 44.1kHz/24 bit。無圧縮とはいえ、カナモノも含むサウンドライブラリーにしては今どき控えめなフォーマット。
Roland Cloudがoggに対応しているかもだったり、その他BFD3など一部の音源( iTunesも含めようか?)で FLACに対応する動きがある中で、「無圧縮…ですかぁ」と思った。
ライブラリーの容量をどう効率化していくかが今後のこういったソフトウェア音源の分け目になるかと思ってた自分には、保守的に映る。
使ってみないともちろんわからないのだけど、この1点だけを理由に、これからDTMを始めるって若い方に「Superior Drummer 3って、どうですか?」と聞かれたら、僕のオススメからは外れるかなあ。
がっつりデスクトップ環境で本気の制作を行なっている方に対してならまだしも、1ヶ月先に飽きてやめちゃうかもしれない人に230GBを勧めるのはちょっと勇気がいる。

BFD 3とは単に好みで分かれそう

さて、DW, Mapleworks, Pork Pie, Ludwigといったメーカーのものを素材として扱うBFD3とは相変わらず棲み分けができているようで、インターフェースがBFD3に似てきたことも考慮に入れると、ユーザーにとっちゃドラムメーカーの好みで使い分け(買い分け)りゃいい、っていうシンプルな悩みに落ち着いたと考えることもできる。

その他、詳細、気になるようであればToontrackのサイトを確認いただきたい。