Toontrack “Orchestral Grand EKX”

やることがちと多すぎて5日ほど記事更新できていませんが、少しチクっとくべきこともあったので急きょ記しています。
ToontrackからEZKeys 2用の拡張音源として新作Orchestral Grand EKXがリリースされたところです。
Orchestralと標榜されてはいますが、ベルギーのGalaxy Studiosで収録されたSteinway D-274をさまざまなジャンルで活用できるよう、熟練のエンジニアに協力してもらいながら作り上げたもの。
もともと何でもござれのピアノを、その適応能力を活かしつつ収録したものなので、オーケストラ、クラシックに限らず映画音楽、ポップス、ロック、ジャズ、カントリーと何にでも使える、そういった売りの製品ですね。
残念ながらNFRをいただけていないので細かい部分まではわからないのですが、動画だと音声の圧縮の問題なのか高音の鍵盤のアタック感が怪しい印象があります。
あと、これは音声圧縮の影響を受け得ないと思うのですが、鍵盤の弦同士の共鳴感(さんざん書いてることなので詳細は割愛)がほぼなく、ダイナミックなピアノソロには少々しんどいかな、と。あくまで動画で、このピアニストの方が奏でたものを聞いての印象なので、実際に使ってみたら断然イイ可能性だってあります。
どちらかというと、Toontrackの製品ページで聞けるサウンドデモのほうが品質の高さを伺えます。
で、ですね。
先ほどの2つの動画について、詳しい方であればお気づきでしょうけど、先に挙げたメンデルスゾーンの曲はVenetian Boat Song Op. 30 No. 6でなく、Venetian Boat Song Op, 19 No. 6でしょうね。Op. 30 No. 6はVenetian Gondola Songだという情報を見かけました(BoatかGondolaかは表記揺れに過ぎない可能性もあるので、それこそ詳しい方に委ねたい)。
もう一曲の方は動画内だとMajorと記されていて正しいのだけど、動画タイトルがMinorとなっています。
「ミスはつきもの」はそうなんですが、そうなってくるとちょっと気になるのが、動画にぶら下がっているコメントにも見えるように、これまでのピアノ音源が500MBほどであるにも関わらず、今回のOrchestral Grand EKXが7.5GBと記されているのは、何があったんか、と。単純誤植だったとすると、そこそこの狼狽不可避なのですが。
ただ、先ほど記したようにSteinway D-274の表現力の幅、演出の幅を含めて各マイクアレイ(19本、6系統と見られる)分すべて集積し、マクロコントロールを通じてそれらのバランシングが可能なように設計したものだとすれば、7.5GBとしても比較的コンパクトにまとめたほうではないかと思ったりもします。
とりあえずのところとして、いかんせんNFRを今回は確認できていないので、不明点が残っていることだけ書き記しておきます。
つまり、この製品に興味があってなおかつ容量の問題を無視できない状況におられる方は、Toontrackに直接か、代理店であるSONICWIREにいったん問い合わせしてみることをお勧めしたい。