130207記
ElectraXが予想に反して遂に64bit対応。
Logicを64bitモードで立ち上げる際に、少々悩ましい仕様のプラグインだっただけに、この更新はインパクト強いです。
このシンセの特徴は主にこの3つ。
- フィルタのバリエーションの多さ(FractalLPで汚されたUltra Saw Waveは、フェスティバル系の音を出すには手っ取り早い)。
- 最大12というオシレーター数(≠ポリ数)の異常な多さ。
- ピッチの揺れ、音質の選択肢。
パッチング(ルーティング)の収納数が少ない点が惜しい。
140719記
Tone2 ElektraXが、 Tone2 Electra2 Synthesizer へとバージョンアップしました。
デベロッパーサイトのストアでアップグレードできますが、ストア上のアカウントはShare-Itのアカウントです。Paypalで支払いするのにさらにログインする必要があって、パスワードが蹴られたりするので、注意しましょう(Sonicwireで買う場合は心配不要です)。
支払いが終わるとt2kというライセンスファイルとアップデーターをDL。
アップデートされたかは、componentやvstファイルを見てもわからないので、ファイルの変更日等タイムスタンプで判断しましょう。
さてそのElectra2、まだ音は確認してませんが、何となくUIが変わったかな位の印象です。フィルターやエフェクト、プリセットは増えたっぽいですが、どこかが格段に使いやすくなったという感じではなさそうなので、是が非でもアップデートせねばと僕からはあまりお勧めできない感じですね。
170802記 2.5アップデート
改めて特徴を示すと、こんなとこ
- Wavetable、Noise、また軽量かつハイクオリティなSuperSawを鳴らせる
- 出音のレンダリング特性を設定できる(EQでは不可能な質感調整ができる)
- ドライブを活用したピーキーな音をソフト内で作れる
- EGの分解能が細かい
更新内容のチェック
特に高い周波数の音質改善やオーディオファイルの読み込み、エフェクトやLFO、モジュレーションのアサイン、コードでのアルペジエーターなどかなりあちこちに改善が加わっているようです。
アルペジエーターに新たに加わったStackは、アルペジエーターというより単純にワンノートで和音が鳴らせるもので、スケールにある程度沿ってくれるので、Logic Pro Xに備わったMIDI FXのChord Triggerより実用的。
ただしChord A、Fifth BなどのChord Mode部分をKeyにすると動作がおかしくなる。
エフェクトに加わったDelay Dualは、ディレイが片チャンネルに寄ってしまうのを避けられて好都合。
一方、Reflectionsは必ず右寄りに余韻が残る。少し音が散るDiffuse Delayも効果的。
IcarusやRayBlasterの開発時にで生まれたであろうエフェクト群がこちらにもフィードバックされていくのが愚直でいい。
ただ、設計の根幹に関わる機能がプルダウンメニューに加わったせいで、全体構造がボヤケてしまった印象があります。つまり目的の場所に機能がなくて迷いやすい。
180403記 2.6アップデート
細かい部分で音質の改良や機能追加が行われ、プラグイン単体としての完成度が高まっています。DAW側でインサートエフェクトを挿す必要が薄れました。
長いこと不人気だったゲートリバーブが、昨今のレトロサウンド流行を受けて追加となっており、BPMに同期可能なリバーブ長の設定が便利そう。
Laser Punchは、波形の周波数分布に位相の傾斜を与えるもので、音圧を大きく変えることなくシンセ音のヌケを改善させられる可能性があり、サイケトランスのリードやベース音に重宝します。
定評のあるフィルター動作に新しくLP Butter, LP Tone2, LP Ellipticが加わり、カラーを保ちつつもキレのいいフレージングを実現できます。
Analogという波形カテゴリーが別途設けられ、Wavetableよりも解像度の高い単純波形を鳴らせるようになりました。
概して、よりブリリアントな音がより軽快に鳴らせるようになったと思います。
MacのPluginsフォルダが散らかるので、プリセットフォルダの位置は変えてほしいところです。
190408記 2.7アップデート
更新内容のチェック
そろそろルーティングの設定画面にaux sourceが追加されることを期待したけどいまだに実装されず残念。Matrixのスロットを消費しちゃうので改善を希望します。
紹介動画の中盤手前(2:52)に見える「9216ユニゾン状態のsawtoothを鳴らせる」とは言いようで、もともとノコギリ波を疑似ユニゾンで簡単に鳴らせる(Ultrasaw)上に、新たに最大9ユニゾンのHyper Unisonがエフェクターとして加わったってだけ。自分、ユニゾン発音について以前試していて、12ユニゾンを超えた辺りでユニゾン数が1増えようが大差なくなることを確認しています。
したがって、捉え方としては、ノコギリ波以外の波形に対しても強力なユニゾン発音をシミュレートでき、CPU負荷が低いままMIDI信号の取りこぼしもなく、有機的なステレオ感を出せるようになったと考えるのが正しそう。
ちなみに以前のSmart UnisonはたぶんChorus Whiteってのになってます。
Driveのバリエーションも追加になり、先行してIcarusに使われていたものがこちらにも移植されたみたい。流行りの(つっても結構前からか)Screamっていうのも加わってます。
僕がよく使っているのはShapeで、これが新しく幾つかに分化しました(これまでのShapeは、2.7だとShapSinに当たると思われる)。
音の出口に近い側にエフェクトや特殊処理が配置されるソフトシンセが多い中、Tone2製品は比較的オシレーターに近い側にShapeをはじめとした処理が配置されてるので、はたして音色にこれからどれだけバリエーションを持たせられるようになるかは楽しみです。