The Handshake Economy

なんか面白そうなので読み始めたけど、ちょっと英語ムツカシカッタデス。
せっかくなので読みながら取ったメモと一緒に概訳しときます。

The Handshake Economy

アジアのアイドル業界、その暗い側面 – BBCニュースの記事とは関係ないっす。

アーティストの活動が創造性の鍛錬とファンサービスとの両輪で成り立つ時代であるが、熱狂的ファンこそがCDの売上に貢献する(創造性がそんなでもなくてもだ)という国がある。

技術大国とされる日本だがいまだにCDという物理媒体のセールスが78%を占めている。J-Popでは決まって1つのアルバムに対して複数のエディションをリリースする傾向があるのだが、欧米でボーナストラックやアートワーク、パッケージが付いたものをスペシャルエディションとするのに対し、J-Popはというと別途グッズが付属したものを指す。これを音楽セールスというにはモニョるが先代先々代から培われ今も続くセオリーなのだ。

女性数名からなるアイドルグループAKB48では、お気に入りのメンバーの露出を増やすためにファンが選挙に参加する。CD発売日には、同梱された投票用紙を確保するためファンがショップに大挙する。必ずしも曲が聞きたいわけじゃないので街のゴミ箱は投票用紙の取り除かれたCDでいっぱいになるという。
ファン各自1票という取り決めはないので大枚はたいて破産するほど買ってしまったなって話もある。
他にも面白いのはある。握手券だ。買った枚数次第でファンのご褒美が豪華になる(たとえばお気に入りのアイドルとデートできたりもするが、これは監視つきだ)。

Deep Girlというガールズユニットに至っては、メンバー7人のうち1人による曲を収録した$8のCD1枚に1つのスターが付属する。スターの累積数により握手、電話、お食事、耳掃除、温泉の特典が付く(Buy 2,000 identical CDs to visit hot springs with this idol group, save them from disbandment | RocketNews24)。温泉のための2,000スターを獲得するには$16,000費やさねばならない。売れなきゃ解散という形でファンに購入のプレッシャーを与える。
PledgeMusicの闇堕ち版といったところか。あと年中水着でかつお見合いすら可能なHappening Girlなんてのもいる。
これらの手法を批評するのは容易だが、大量の消費が無ければ音楽市場があっさり終息しかねないという点も否定できない。そのじつAKB48は凄まじいセールスを遂げている。アイドルの手法はメディアとどぶ板との巧みなバランスを取っているわけだから。アイドルがビッグになるほど身近であることの価値も高まるのだ。マクロは同時にミクロだともいえる。

負の面もある。AKB48の握手会で1人のファンが凶行を起こしたり、CD枚数に貢献したのに素っ気なくされたファンが我に返るなど。
失敗談こそあれアイドル商法はかなりのノウハウを積み重ねたようである。RihannaやTaylor SwiftみたいなポップシンガーだってMeet & Greetのファンサービスには余念がない。

音楽セールスの失速で、全てのタイプのアーティストが、積極的ファンのみならず消極的ファンからも支援を得る方法を考える必要が生じた。日本の例が西洋で通用するとも思えないのだけど、「ファンであること自体が(音楽と同レベルに)ファンにとって価値のあること」とする認識って、YouTuberたちが既に把握している認識と変わらない。じゃあアーティストだってやればいいじゃない。おいでませ、Handshake Economyへ。

若干、例が古い気もしますが、肯定的に捉えた海外の記事は初めて見たかも。

「JPOPが欧米で何故流行らないか」?

昨年夏ごろ、札幌の若いアマチュアのバンドマンとの対話の中で握手券商法をいちど全肯定してみたことがあります。あまりにファンの方を見下した言いっぷりについイラッと来たので…あ、これ、秘密。
fandomというのは的確な英語ながら訳しづらい言葉なので、wikipediaのなかなかいい説明を引用しますと―

オックスフォード英語辞典によると fandom という英単語が使用されたことが確認できたもので一番古いものは1903年であり、それはスポーツを興味の対象とする fandom だった。

英語圏において fandom という言葉は、特にサイエンス・フィクションファンタジーなどといったジャンルで使われる事が多い。ファン達は彼らの興味の対象とする文化の細部にも興味を示し、その興味のためなら長い時間と労力を惜しまない者も存在する。通常ファンダムのメンバーはSF大会の様な様々な催しに参加し、作品を発表したり交換したりする。今日、これらのコミュニティーはしばしばオンラインで存在し、特に題材がよく知られていない場合はそれが顕著である。

ファンダムのメンバーへの軽蔑的な呼称に「ファンボーイ」または「ファンガール」がある。

多くのファンは彼らの選んだファンダムの世界観とキャラクターに基づいたストーリーファン・フィクションも書く。

ファンダムに係わる負の要素は、執着と不健康または人間関係への悪影響をもたらすほど過剰に熱狂しているファンたちがいること、それぞれ興味のあるファンダムの世界の中でしか人間関係を築けないファンたちが多いことなどである。

ファンだからこそ味わえる醍醐味、やり甲斐、言わばファン心理とかファン精神と僕は捉えました。
これを煽るのが得策とは僕にも思えないのだけど、原文記事冒頭にも見えるPatreonのように支援した分が何らかの見返りの形で満たされる必要はたしかにあると思います(そこで現実に立ち返って僕自身が何をお返しできるのか考えると毎回何も思いつかなくてションボリするのだけど)。

cf:

p8
Global music industry revenues from physical formats accounted for less than half of total industry revenues (46%). Nonetheless there is a marked format di- versity between different countries, with a robust physical market share still recorded in countries such as Austria (65%), France (57%), Germany (70%), Japan (78%), Poland (71%) and South Africa (62%). Vinyl remains a niche product, accounting for 2 per cent of global revenues, but the format continues to revive with sales increasing 54.7 per cent in 2014.