TBProAudio “DSEQ 3.0”

以前取り上げたことのあるTBProAudioから、DSEQ 3.0 。
前のバージョンは存じ上げないのですが、本バージョンでゲイン・リダクションの可視化機能がついたということで、そのビジュアルに興味が惹かれます。

AIと紹介されているけれども、いわゆるレファレンスからのマッチEQ(Sculpting)機能の一部と見てよさそう。自分用のレファレンスも投入できるけれども、ドラムやボーカルなどの何らかの蓄積データを持っているようで、それを適用できる点をAIと称しているようだ、ってことです。
あ、ちなみにレファレンスの使い方を考えようって動画がRecording Revolutionのアカウントにこの間アップされてましたね。

話は戻って、基本機能はほぼoeksoundのSoothe、つまりマルチバンドのディエッサー(ダイナミックEQ)で、先ほどのスクショに残したようにスペクトログラムの履歴を見られるのが個人的にはとても嬉しい。
以下、Sootheとの(体感上の)比較で記していきます。

UI的には少々クセがありますが、すぐ慣れそう。処理の重さは…同じくらいですかね。
プリセットはDSEQのほうが汎用的な感じで、しかしSootheは特定の状況に対して著名エンジニアの手による設定を活用しつつ精密に決まる印象を受けました。もちろん設定値次第であり、精密≠万能でもあり、自分に都合いいほうを使えばいいんじゃね?ってことになるでしょう。
Sootheにこのスペクトログラムが付いたら嬉しいのは確かなんですけど。

余談ですが、DSEQやSootheが標的とする「Harshness」(直訳すると「不快さ、粗さ」で、ニュアンスとしては「中域〜高域の過剰成分」ってとこかなあ)、これを指摘し改善を指南する海外のチュートリアル記事や動画を最近立て続けに3つほど目にしました。
Harshnessが不快かどうかは個人差もあると思うんでともかくとして、何とかせねばなあ的な空気が少し濃くなりつつあることは感受しといたほうがよさそうです。