AI音楽への懸念が和らぐ

とする記事がMusicTechに掲載されています。
これは、新進アーティストを称えるTallinn Music Week(Tallinnはエストニアの都市)におけるパネルディスカッションのまとめに当たる記事で、詳しくは原文参照。より詳しくは、たぶん動画でもアップロードされているのではないかと思うのですが。これかな?
正直、これといって新しい視点が提供されたわけでもないのですが、AI生成のコンテンツが生業を脅かしかねないと萎縮する将来のミュージシャンに対し、安心せよと提示された3つのポイントが面白かった。
- 生成AIに奪われるクライアントは、もともと良いクライアントではなかった
- 人々はAIアートを好まない
- 生成AIによって作成された製品の知的財産権を所有することはできない
現段階でであり極論的でもありますが、怖気づく相手に提示する極論としては的を外していないんじゃないですかね。それと、ここには挙げられませんでしたが、ビジネス的に成功確率の高いものを生成するため結果(リスクを取らず)安全なものしか生成されないというのも半ば定説。
文脈を読み解く面白さがある
「文脈」ってものにも記事中では触れられてますね。
僕など古い世代の人には、アルバムで複数の曲が連続性を持っていたり、アルバム自体がその前後関係を持っていたり、あるいはそのアルバムと他アーティストのアルバムとの関連性があったり、ライナーノーツや専門誌のインタビューで経緯の解説があったり、そういうので音楽やアーティストを深く知って悦に浸る人も少なくない(もちろん今もそうしたマインドで制作を行ったり鑑賞する若い人も大勢いるのだろうけど)。iPodが登場してランダム再生が可能になって、あのアルバムでいつも飛ばしていた曲が突然輝いて聞こえたなんて話もよく聞きました。文脈次第で価値が変わるとか、リスクを冒してでも得られるものがあるとか。
別に今の聞き方が悪いとは思わないのだけど、手間隙かけて予算も注ぎ込んで制作したものがハイペースに消費されて充分回るほど音楽の世界はもはやバブルじゃないと思うんですよね。そういう界隈もあるけど。
コストを削減するためにAIが役立つってのは理屈的には間違ってない気がしています。むしろ必然的な帰結というか。ただ、そう考えると、AIの役立つべきは生成じゃなく、よく言われるように、制作の中で煩わしかった部分の効率化のほうだろうと。