Wavetableザクザク作るならSynthTec WaveEdit

Wavetableの作成に都合のいいソフトって案外ないもので、そこいくと、SynthesisTechnologyの WaveEdit ってフリーソフトは安定していて面白くて良いです。

昔気質な操作感…ひょっとして不安定?と思ったらとんでもなく安定しています。
先日紹介したVASTVaporizer2の波形作成/Harmonics編集機能もかなり面白かったのですが、記事書いて以降、DAW巻き込んで強制終了した回数は数知れず(購入して安定性が確保されるとは考えにくいので、結局購入せず止まり)。それに比べると涙も涎も垂れまくるくらいの安定度といってよいでしょう。

波形を編集できるのはもちろんのこと、個々のIndexに対して直接波形を描くこともできればHarmonics編集もできます。
またPhase Shift, Harmonic Shift, Comb Filter, Ring Modulation, Chebyshev Wavefolding, Sample & Hold, Quantization, Slew Limiter, Lowpass Filter, Highpass Filterといったエフェクト群が味わいを加えるのに一役。
まだ短時間しか使用していないため確実にはいえませんが、おそらくIndexは固定で64個、各Indexのフォーマットは1024サンプル/16bit。
Effect Editorを使ってオートメーションのようにエフェクトの値を変化させていくと簡単にWavetableのIndexを踏破できてラクですね。
憧れのWaterfall Viewも搭載しています(上のスクショ)。

地道にコツコツWavetableを作るのもいいけど、勢いでガツッと大量に作って、そこから使えそうなものをチョイスしていく使い方をするなら、これほど都合のいいものはないように思いました。
念のため、SerumのWavetableは32bit(float)で保存されるため、こちらのWaveEditとはコンパチ取れません。
いったん何らかのツールを挟んで16bitと32bit(float)を変換する必要があります。

そもそもがオシレーターいじり用の補助ツールと思われ、MIDIキーボードから鳴らせるわけではありません(たぶん実装できると思うのだけど潔く切り捨てたんだと思う)。
したがって、禁欲的に波形データをエディットするギーク向けといったほうがいいのかもしれません。
クロスプラットフォームで、あとオープンソースなので、改造したい方も手を出してみるといいかもです。

ちなみに、似たようなスタンドアローンソフトとしては「Audio-Term」というWindows用のソフトがあるみたい。

WineBottlerを通じてMacでも動くとのことで、実際に試して動く&操作する&音が鳴ることをひとまず確認しました。
細かく操作したわけじゃないので具体的な操作方法についてはこの辺り(Micromonsta wavetable tutorial | Audiothingies)をお読みいただければと思います。

また、この記事書いた前後にMetaFunctionからM4L環境で動作するWave Weldがフリーで配布開始されました。
こちらはIndexごとにSine, Saw, Pulse, Triangleのオシレーターを合成して記録し書き出すスタイルのようです。
Live10.1ではWavetableにユーザー波形を登録できるようになったので、いずれも有効に活用いただくとよいかと思います。

【お知らせ】

WaveEditで作ったわけではありませんが、最近作ったWavetable群を、しばらくご無沙汰だったGumroadにアップロードしました。

84 experimental wavetables at 32bit/44.1kHz. no presets.you can open these from your Serum, Icarus, etc.