減算的な進化( Modification )

毎度おなじみの、Music of SoundのDetritusシリーズ、第258回。
ちなみにdetritusってのは破片とか断片とか、おそらく含意としては研究か創作かで何かを彫り上げる際に飛び散らせた断片だと思います。ジェイソンさん(cf. 「ジェイソンさん」進撃の巨人を彫る「進撃の巨人」 by ゴレイヌ エンターテイメント/動画 – ニコニコ動画)が飛び散らせる木屑みたいなニュアンスかと。もっとも木屑じゃなく岩屑、石屑なので、磨崖仏でも彫るような光景を思い浮かべると多少わかりやすいかも。

Detritus 258のページの1つ目の動画はドッキリなので、心臓の悪い人は視聴を避けて下さい。R指定全く関係ありませんが、”衝撃的な事態を避けるため飲酒運転しないように!!”という内容の広告映像で、やたらに衝撃的になってるため心臓に悪いです。

さて、その次の次に動画とともに紹介されている内容が興味深いので引用させていただきます。

> Its not every day you get to witness the genius of reductive music production, but today is one of those days….. Case in point: the song Citizens by Alice Russell, first listen to the version from 2010
(訳)うまく減算手法を施された音楽を耳にする機会はそう多くないのだけれども、今日はそれを紹介する日としたい。お題は、Alice RussellのCitizenという曲。

Alice Russell Citizens 2010 – YouTube(訳注:動画消失。元URL » http://www.youtube.com/watch?v=TmL11UcTvwI)
Ok theres something there… but…. it ain’t compelling….
(訳)まあ、何かしら色々入ってるね。悪くない。
Now listen to a live piano & voice version from BBC Radio 2
(訳)お次はBBC Radio 2での、ピアノとボーカルってバージョンを聞いてみよう。

Alice Russell – Citizens (Live on BBC Radio 2 with Jamie Cullum) – YouTube
& then live again in 2012
(訳)そんで、2012のライブをもういっちょ。

ALICE RUSSELL Citizens GENEVE 2012 – YouTube
Better…. but, still…. not compelling…
& then there is this, the best song imho on her newish album – same tune, same lyrics but such better production through removing most of it… Well… sadly there is no embeddable copy of the album version, so use this link to listen on Spotify – scroll down to track 13 Citizens or follow this link and hopefully it gives you the option to hit View in iTunes for track 13 Citizens or a 30 second listen on lastFM or Spotify
(訳)この通り。僕としては彼女の新しいアルバムのベスト・ソングだと思うね。同じ曲、同じ詞、だけど色んなものを省いてこんだけ練磨されてる。まあ残念なことにアルバム・バージョンの音楽をブログに張ることができないのだけれども。代わりにSpotifyに行って13トラック目を聞いてみてよ、あるいは、よければiTunesの楽曲ページの13トラック目、LastFMで30秒の試聴バージョン聞いてくれてもいいし。(訳注:日本ではSpotify聞けません。)

こうしたシンプルなアレンジのもの、最近人気があるっていうよりか、まだまだ健在という印象です。減算って難しいもんで、各部品の担う役割を変える必要があったりします。ごまかしが利かなくなるってのじゃなくて、ワンフレーズの価値が高まるんで、良くも悪くも表現能力が露わになりやすいというか。打ち込みによる音楽の制約もそこで、だからこそ僕自身の話でいうと某名義での活動においては打ち込みっぽいドラム音色なんかをはじめは意図的に禁じ手にして、どんだけ可能かを試してました。結果的にあのスタイルでやるならば演奏能力を徹底的に鍛えて(もしくは編集技術を駆使して)生で演奏したほうが表現の幅は広く取れる、あるいは内容と別なセンに力点置く必要があると思ったわけですが。

pomplamooseとか、ちょっと前に話題になったiPhone Marimba Remix Looper RC50 – KIZ(YouTube)とか、これはこれで浮世絵的(cf. 浮世絵化するJ-POPとボーカロイド 〜でんぱ組.inc、じん(自然の敵P)、sasakure.UK、トーマから見る「音楽の手数」論 – 日々の音色とことば:)というか色んなものがナマモノとして放り込まれてて、この手の手法が話題になって多分もう5,6年は経ってると思うのだけど、映像と絡めやすいメリットもあってそれなりに健在。

ギッチギチなクラブ音楽や闇鍋的なアングラ(≒サブカル)ミュージックも健在だし、極めてシンプルに面白く仕立てられたアイドル音楽や、手元にある一台の楽器で徹底的に作り込みましたってのも底力とともに存在感を見せてると感じる昨今です。

いや、まあ書きたかったのはそれだけ。