Studio One 7 への反応が思わしくないようで

Studio One 7

先週𝕏界隈で少し盛り上がったStudio one 7登場のニュースですが、MusicTech誌の伝えるところによるとコミュニティでは強い反発が起きているもよう。
ちなみにうちでこのニュースは取り上げませんでした。いまの活動内容的にStudio One 6 Proで充分(個人的にこのバージョンはかなり良くできていると認識しています)で、アップデートする気がなかったからというのがでかい。
今回のアップデートにおいては、ご存知の通り下位グレードが廃止されています。アップグレードキャンペーンは10%オフとややしょっぱめ。で、上記ニュースにも記されているように、大きな機能追加はなく、ユーザーとしては何に対して金を取られるのかわからず「slap in the face」であると。

過去のアンケートでサブスク示唆

実は半年ほど前でしたか、PreSonusからアンケートへの回答リクエストが届いていました。
内容に満足しているかどうかはもちろんとして、「ん?」と思ったのはサブスクへの言及。つまりStudio Oneがサブスクを導入するとしたらどんな機能が欲しいか、と。ループ素材の提供が現実的かなとお答えしましたけども。
その意味で、現在提示されている金額は、これから整っていくであろう機能やコンテンツに対するものと考えるのが妥当なんでしょう。けど、具体的な内容はまだ示されていないらしく、そりゃ不安を感じざるを得ませんね。

サブスクを導入した音楽ソフト、サービスが多々ありますが、サブスク導入開始時ほど積極的にサービス追加が行われなくなってきた昨今、音楽ソフトのサブスク制自体を訝しむ声も聞かれ始めています(海外の掲示板、あるいは非サブスク製品に関するニュースリリースにもそうした文面が見られる)。うちも実はぼちぼちSlate Digitalのサブスクを切ろうか検討し始めていて、そうした情勢の真っ只中でサブスク始めるよーって宣言も、個人的には「どうなの?」と思ってます。せめてRTOじゃないの?とも。

ボカロ絡みの影響、ARA2の将来性に懸念

あと、言及するならば、クリプトン社製ボーカロイドに同梱されるDAWがStudio OneからCubaseに切り替わったことも無視できません。
とはいえVocaloid EditorにせよPiapro Studioにせよ、現状、そこまでDAWを選ばない…というかそれらとDAWとの統合力が高くもないのも事実で、言い換えれば「大差なく」、ユーザー的にはDAWがどうであろうと演奏を宅録できるホストアプリさえあれば特に問題ないのではと考えられます。既存ユーザーにとっては困惑必至でしょうけども。

ボカロ周りについていえば、ReWireののちに現れたボカキュー、その間、Macユーザーを救うかのように現れたPiapro Studio、そしてVocaloid EditorがついにARA2対応に至ったと聞いてます。
残念ながら近年の環境について確認していないので、いま現在どういった手順や環境がボカロ曲を作るにあたって効率的かは正直よく知りません。うまいこと同期して、操作上の画面遷移が単純であるのが理想ですが、ARA2が実はホストアプリ側でまだ成熟しきれていないのが惜しいとこですね。

と、考えてみると懸念がありますね。
ARA2の開発にPreSonusがかんでいます。
今回の発表により、もしかするとサードパーティソフト側に今後何らかの皺寄せが来る可能性があります。最悪、ARA2の廃止など起きると、ボカロ関連のみならずピッチ補正ソフトもろもろにも心配が及びます。杞憂であることを祈りますが。

上記動画のコメントでも、「高すぎる」のコメントがThumbUpを集めていますね。長年の愛用者に対してこの仕打ちかよ、って意味合いと考えられます。
他のDAWからすると乗り換えキャンペーンを始めるチャンスかもしれません。くしくも、Finale終了に伴い、Steinbergにユーザーが流れていく気配がやはりありますしね。


そろそろまたいったんエクスキューズを記しときますが、この手の話題のときにネガティブキャンペーンをしているわけじゃありません(そう見えるであろうことは承知してます)。

仮に自分が気に入ったソフト/ブランド/デベロッパーだからと褒めちぎったところで、たまたまそれに動かされた読者の方全員がその製品を気に入るとは限らないし、場末ブログの主がそこまで文章責任を負えません。
最低限、自分が不運にも見つけてしまったネガティブな情報については隠さず共有し、かつ自分がそこに幾らかでも賛同するのであればそれも明かしときたい、に尽きます。
美辞麗句書き立ててモノを買わせることを目的とした日記でもないし、うちのリテラシー高き多くの読者が理不尽なことを言い出さないことはわかっているものの、Webってのは一方で通りすがりの読者を選べないのでね。