伸縮自在、布製キーボード

Overview ‹ Fabric Keyboard — MIT Media Lab (photo by Irmandy Wicaksono)

MITのResponse Environmentチーム「resenv」による、布製キーボードのデモンストレーション動画がCreativeApplications.Netで紹介されている。

FabricKeyboard – Stretchable fabric (sensate media) as a musical instrument

仕組み

ざっくりと解説を訳すと、

接触、遠近、電界、圧力、伸縮を同時に検知することができ、触れたり触れなかったり、引っ張ったり捻じ曲げたりと、奇妙な芸当での演奏を可能にする。
鍵盤のほかに布製のリボンコントローラーやトラックパッドも開発していて、演奏者にもっと自由な表現をもたらそうと考えている。

だそうだ。

CreativeApplications.netの補足説明によると、一般的な生地と伝導性のある生地、圧電(ピエゾ抵抗素子)生地を重ね合わせ、伝導性のある糸でマシンソーイングしているとのこと。
今のところMIDIでの有線による通信だが、OSCを使用した無線での通信も試みている最中らしい。

ROLIのSeaboardキーボードが話題になったばかりだが、その衝撃をまた塗り替える可能性がある。
Marco Parisiの演奏が素晴らしいこの動画を貼っとく。
曲はCoryの十八番の一つでもあるHerbie HancockのCantaloupe Island。

何より、布製なら持ち運びが便利。
いや、山野楽器のハンドロールピアノも印象深かったけど、ライブパフォーマンスってより遠足や花見の席でも伴奏できます的なベクトルのものだったし、丸洗いなんてもってのほかだった。

Fabric Keyboard がもたらすもの

しいていえばFabric Keyboardは、非接触つまり中空での操作が可能になるのでキーボードってよりテルミンを脅かす位置付けになりそう。
昨日だかAmazonのDashボタンの改造が話題になっていたけど、加えて力で値を持たせ得るので、画像を変形させたり、金魚に適度な量の餌をやったり、ゲームのデバイスとしても活用が期待できそう。
そうなると鍵盤が鍵盤の形をしている必要もいよいよ無いのだけど。
商品としての実現はまだもう少し、早くてもあと1年はかかりそうな気がする。

ROLIにせよ、偶然がちょっと混じっていそうだけどこのFabric Keyboardにせよ、平均律の壁をちょっと超えていて(厳密にいうとROLIはタッチした箇所に近似する平均律上の音階に寄せる仕組みを備えていそうだが)、別の音階を持った人たちにどう映るのかなとふと思った。
詳しく知るわけではないがTinariwenのような独特な立ち位置のアーティストにとって、本来の感覚に近いと思われるものを、活動が充実してきた今のタイミングに、最新の技術で目の前に出されるというのは、もし自分がそうならエラく不思議な気持ちになりそう。