ステレオ加工する幾つかのギミック 2009

去年の今時期に訪韓した際、僕のデモが音の広げ方のレファレンスになっていたって聞かされました。
別のプロジェクトでも引き合いに出されたそうで、恥ずかしいっす…。

Logic Studio 音源およびエフェクト
Logic Studio 音源およびエフェクト

昔は、モノラルの音源に対してPanやInsert Effect、あるいは波形のEditでステレオ感を出してましたけども、今時分は、よほど負荷のかかる構造でさえなければ相当な本数のステレオトラックでも難なく再生される時代。
そんなこともあって、特に狙いが無ければほぼ全トラックをステレオのままの状態でボクは作っています。

ステレオ加工手法、いくつか

以下、ボクがよく使う音の広げ方についてのメモ。誰でもやっていることが多いので参考にならんかもですが一応。
(ちなみに基本、Logicにデフォで備わっているプラグインでなんとかしています)
cf: アップル – Logic Studio – Studio Effects – 仕様

リバーブ(順当)

空間系で音を広げたいときは、主にIR式のReverbであるSpace Designerを使用。
大概はSendに置いて、Space Designerの後にEQを挿して、スペアナ見ながら残響感が伝わりやすい帯域を残して他を絞る感じです。もちろんそれは他のパートとのバランスも気をつけながら。
IRのデータはLogicデフォ以外のものも使うこともあって、初期反射だけのものをFull Wet状態でかけることもあります。
あと変化球っぽい残響を作りたいときは、Audio EaseのSpeakerphoneでReverbのみを使ったりも。

遅く狭いモジュレーション

うねり系で広げたいときは、遅く狭い設定を多用します。
たかがChorusでも、この設定にすると遊離するので、存在感を残しながら音量を絞りたいときとかに重宝しています。
Logicの場合、Ensembleをこの設定にして挿して、-180°で広がりを200%近くまで持っていって、それによって広がりを作ることが多いです。浮き過ぎないように、そして左右逆相にならないように気をつけながら、Dry:Wetのバランスを調整していきます。
RingShifterはいまだに似非3D効果としてよく使っていて、これも遅く狭い設定にしています。速さをAutomationで変化させるのはこれまでに何度も使ったパターン。

イメージャー

イメージ系で比較的よく使うのがStereo Spread。Comb Filterみたいなもので帯域ごとに左右に振るもの。
ただ遊離具合がかなりキツいので、適正な設定値になるまでかなりじっくり時間をかけて調整します(特にトランスやエレクトロっぽいのを作るときは、倍音の多いシンセベースにかけてキックと分離する手をよく使います)。
Wave ArtsのPanoramaもたまに使います。これは似非3D。あえて定位を動かさないことが多いです。

相対的広がり

広がりのある音が広がりのある音として聞こえるためには、たぶん広がりのない音が対照的に存在していたほうがいいかなとか、あとReverbが効果的に聞こえるためには、たぶんNon Reverbの音か限りなくそれに近い音が対照的に存在していたほうがいいかなとか、根拠は無いんですけど、なんとなくそう思っているので、パートごとの対比関係を見ながらどうするか考えて調整しています。
擬似的な立体感や広がりよりも、位置付けというかパート同士の構造としての立体感のほうが、伝わりやすいかなと目下は思っています。それと、擬似的な立体感や広がりってリスニング環境によって差異が出やすい(処理のクオリティの差も出やすい)気がするので、依存し過ぎないようにも気をつけていて、目的を考えた上で判断するようにしています。

追記:

Logicに限らず、うねり系やディレイ/エコー系は特に、エフェクトの出音が左右に完全分離されてしまう場合があります。その辺り、プラグインなりアウトボードなりで広げ方を設定できるならいいんですが、設定できないものも多いようなので、Direction Mixer(一般的にはImager)で広がりを狭めてやったりする必要がありそうです。うねり系であってもBusにInsertしてやって、Busの中でImagerを設定してからドライ音とMixしてやるのが得策かと。

その他、いちいち初歩的なことを書かなくていいんじゃないかとも思いますが、Reverb成分をモノラルにすることは禁止されていないし、片チャンネルだけにChorusを100%の値でかける(Vibratoですね)ことも禁止されていないわけで、音の加工には実にいろんなやり方があると思ってます。
で、もちろんその曲でそうしたギミックが必要とされているかどうかを判断するのも大事なことですね。

ステレオ加工する幾つかのギミック 2009” に対して1件のコメントがあります。

  1. Nauts より:

    Makouさん、ひさしぶりですね。あたしNautsです。
    去年Makouさんの伝言を受けましたけど、仕事か忙しいので返事するのを忘れてしました。
    だいへんすみませんでした。

    今は元気ですか? うえのblogを見たら仕事かだいへんですとおもいますが。
    僕の名前が登場されているからはすかしいです(^_^)。

    あ、私、今月27~30日、札幌に行くことになりました!ご両親とともにいく旅程ですから
    あまり時間はないと思いますけどぜひ、Makouさんをあえたいんです。
    29日に札幌駅のRENAISSANCE HOTELに泊まるんです。そのときかいいとおもいますけど
    MakouさんのSchedulはどうですか?返事を待ちます.^^

    1. makou より:

      >Nautsさん
      こんにちは、ひさしぶりです。
      NautsさんにもらったCDに書かれた韓国語は、近所の韓国料理のお店の主人に読んでもらいました。
      (がんばったけど、やっぱり読めなかった^_^;)

      27~30日の予定をRiccioさんにも話しました。みんなで会いましょう。
      Nautsさんの予定はどうですか? NautsさんのScheduleに合わせますよ!

  2. mikihito より:

    makouさん

    とても勉強になります。 なるほどです!!。

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