Polyrhythmic (現 SPIRIT FINGERS )が頭おかしい(褒めてる)

SPIRIT FINGERS は 少し前にPolyrhythmicと名乗っていた集団。
Polyrhythmicsとは別なのでご注意を。

Polyrhythmic (現 SPIRIT FINGERS ) , ストイックな集団…

YouTubeでサジェストされたので見てみました。
ポリリズムにこだわったユニットは珍しいですね。

メンバーは、

Bass: Hadrien Feraud
Drums: Mike Mitchell
Guitar: Marco Villarreal
Piano, composer: Greg Spero

ちょっと前に、Lee Ritenourがミラノで行ったライブで、その息子でドラマーのWesとともにHadrienをキャスティングしているのを動画で見ました。
ここ2,3年くらい面白いと思ってHadrienをヲチしていたのだけど、技術が高くセッションものに滅法強い一方で、スムース・ジャズ寄りのリフもの演奏させるとまるで心地よくないなと感じたもんです。
何をやらせても上手いって人は世界で数えるほどもいないわけで、こればかりはキャスティングミスというほかないでしょう。迎えるならばアバンギャルドなセッションのほうがいい。

ストイックな集団かと思いきや攻める

DrumのMike Mitchellって名前は初見ですが、Dallas’ Mike Mitchell is a Jazz Drumming Prodigy | Dallas Observerによるとテキサス生まれの現在21歳で、Stanley Clarke Bandでブイブイ言わせとる(死語)らしい。
ちょっと前まで僕は「フランス恐るべし」とか書いてましたが、Snarky Puppyの一件以降「テキサスも恐るべし」とも書き加えなくてはなりません。
以前別の動画でHadrienと共演した巨漢(今はそこそこ痩せたっぽい)Eric Moore同様、Mikeもギリラインどころかレッドゾーンに突入するプレイスタイルのようです。
Meinlのアカウントにアップロードされたデモンストレーションプレイには、

This is not music. It’s 4:51 minutes of showing off.
(これは音楽ではない。4:51に及ぶオレ様動画だ。)

とコメントがつき、サムアップを集めています。
やり過ぎ感あるとはいえ、フレーズ内容に目を向ければなかなかユニークな拍子解釈を遠慮なくブッ込んでいるようで、ただでさえ面倒なポリリズム上でよくもメンバーとコミュニケーション取っているもんだと感心します。
もっとも、最近のこうした剣呑なプレイヤーの動画を見ると、実はそんなに厳密に縦のラインやテンポキープを守っているわけでもなさそうで、でもそれはそれで仮にズレが発生してもプレイの中で解消していける柔軟性を備えていることを証明してもいるわけで、二十歳そこそこにして感じさせる老練っぷりには舌を巻くばかり。

Polyrhythmic (現 SPIRIT FINGERS ) も、プレイ面からいってしまえば”This is not music.”の部類ですが、ピアニストが作曲した場合にありがちな、’どこかに旋律性の高いフレーズを入れたくなる病’が案の定見られます。
その旋律の音の運び、譜割りは絶妙で、ただただスリルに走りがちなアバンギャルド音楽においては、いっそう眩しく映ります(もちろん、旋律性が余計であると感じる方もおられるとは思いますが)。

正直なとこ、このユニットとコンセプトで何年もやっていけるとは思わないのですが、やや漫然としてしまっている界隈には一石を投じることができたのではないかなという気がします。