Spitfire Audio “Albions Orchestral Selects”

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Spitfire Audio “Albions Orchestral Selects”

最近、何か行き急ぐような感じで立て続けに総集編的なものをリリースするSpitfire Audioから、Albion製品ライン内のオーケストラサウンドを取りまとめたAlbions Orchestral Selectsが登場。
NFRをまたいただいたので、急いで動作とサウンドを確認させてもらいました。

THE ALBIONS ORCHESTRAL SELECTSの詳細情報ページ
SPITFIRE AUDIO社製 ソフト音源 「THE ALBIONS ORCHESTRAL SELECTS」の製品詳細情報ページです。
情報
  • Kontakt 7.5.2以上、Kontakt Player対応
  • NKS対応
  • 29GB未満
  • 定価$199

機能、操作性

まずAlbionの製品ラインが他の本格的なオーケストラサウンドをフィーチャーした製品ラインと何が違うのかってとこですが。
もっとシンプルに各楽器セクションを呼び出せるようにまとめ、かつなるべく映像作品上の演出に合うようにアーティキュレーションやコントロールを整備したもの、あとeDNAだとかevo Gridだとかいう技術の一端を見せるようにしたものがAlbionラインだと言えるかなと。ついでに言えば、想定する映像作品の傾向が一製品ごとに異なると。

そういったラインの製品群からオーケストラ系の音を抜粋して、共通インターフェースに焼き直したものがこのAlbions Orchestral Selectsってことですね。

内容としては、やや仰々しめな各セクションと、近年流行りの近距離録音(intimate)のセクション、それとレガート専用と、パーカッション群といった形。
ある程度面白い音楽は作れるけれども、アーティキュレーションのバリエーションはオーケストラ専用ライブラリーに比べたら少ないし、たとえばトリルやトレモロは無かったり、その代わり引っ掻くようなエフェクティブな奏法が収録されているなど、万遍なく揃ったものを求めていざ見てみると肩透かしを食らう可能性があります。
決してダメなものではないのだけど、Spitfire Audio製品を初めて買う人が手を出すものではない(余裕があるならその限りではない)かなと思います。手持ちのものじゃ何か驚かせるような要素が足りないとか、そういった局面での拡張用ライブラリーと考えたほうがいいかもしれません。

ほかのオーケストラ系ライブラリーに比べると、Spitfire Audioのライブラリーは収録場所との兼ね合いで中域が持ち上がって聞こえたり乾き気味に聞こえたりと、僕個人のオーケストラサウンドの好みとは違うため、持ってるけどうちではほとんど出番がありません。
※NFR含めるとそこそこの数預かってますが、ご存知の通りNFRを自身の制作に使用するのは原則ダメです。

自社製のサンプルライブラリー再生ソフトがあって、そちらにシフトしたはずなのに何故いまKontaktで出すのかというと、一つは単純に元製品がKontaktで、共通インターフェースにまとめてユーザーの戸惑いを軽減しつつ、Spitfire Audio的にも製品管理しやすくしようとしているのだろうと思われます。

29GB未満と抑えめなサイズではありますが、ロードするとなるとそれなりに時間がかかるので、インストールしたらいちどBatch Resaveしたほうがいいでしょう。

Spitfire Swarmsという製品のNFRもいただいたので、時間があれば明日こちらもザクザクと動作とサウンドをチェックしようと思います。