Speed Garage のサンプリングライブラリーがリリース

突如、Speed Garageのライブラリーがリリースされて何事かと。

Speed Garageが流行ったのは20年ほど前の話で、商品解説にはunderground classicsを作る必要が生じたときにと記されている。
UKガラージの歴史【1995年~2014年】 | 洋楽とかMMAとか(2014年)にまとめられたタイムラインを見るとわかりやすい。

#私を構成する36枚

この間#私を構成する36枚ってのを書いたときMJ Coleを挙げたけど、彼が話題になった後は僕自身USのDeep Houseに目先が移ったこともあってUK方面を全くヲチしてない。
にわかに注目を集めているベースライン・ハウスって何? | ロック&クラブ・ウェブマガジン:iLOUD(2008年)を記された方と同じ感想を持っていた。

その後スピード・ガラージは、’99〜’01年には、クレイグ・デイヴィッドをフィーチャーした「Rewind」のヒットで知られるアートフル・ドジャーや、TALKIN LOUDレーベルが送りだしたMJコールらのスターを生んだ“2ステップ(2 STEP)”へと姿を変え、さらにヒップホップ〜R&B〜ダンスホールとリンクした“グライム(Grime)”へと変遷していく中で、すっかり絶滅危惧種に…。と思っていたら、アンダーグラウンドのシーンでは、バッチリ受け継がれていたんですね。

記事最後の「アーティスト」というリストの中にWIDEBOYSを見つけて「懐っ!」と思った。Freak Like MeやHeartacheのリミックス聞いたもんなあ。
と、古いトラックを聞いてたら、ハープやピチカートやハープシコードの単音フレーズがお約束として曲中に入っていたことを思い出した。これは今のプラックサウンドに受け継がれてるのかもしれない。ま、わかんないけど。

余談だが、先ほどのUKガラージの歴史に見える2014年のDeep House。
EDMに疲れた20代半ば以上の世代云々向けみたいな説明をどこかで見たことがあるのだけど、それよりさらに上の僕ら世代…とすると主語が大きいので「僕にとって」と言い直すけど、けっこうエロティックなものがイメージとしてある。
というか、テックハウス寄りのストイックなものを指すこともあればLounge House寄りのBPM抑えめでエロスなものを指すこともあった。
こういう昔話をするとき便利なIshkurを見てみると、Deep Houseは2000年より前に配置されていて、今書いた後者のほうのテイストになってる。
Beatportは懐広いせいか両方混じっていて、Junoは後者寄りか。
YouTubeだとIbizaの名がついたミックス動画(リンク切れ)だと後者寄りでそうでないのは前者寄りかな、印象としては。
ここまで来るともはや微々たる差のような気がしてきた。結論を出す必要もない気がするし。
Ishkurのことを書いたついでにEvery Noise at Onceを見てみると右上に位置していて、関連付けられたSpotifyのプレイリストは古参のアーティストでまとまっているんで、どうしてもエロス方面になってる。
もっと右上にあるのはDeep Deep House。サジェストされるThierry Tomas辺りを聞くと相当ストイック。

だいぶ話がそれたが、件のSpeed Garageのライブラリーの解説に記された「次のサウンドクラッシュに是非!」のサウンドクラッシュというのは、

In the clash, the competition plays out between two or more soundsystems, who face off before a crowd acting as judge and jury based on the competitor’s selection and performance prowess.

A beginner’s guide to Jamaican soundclash | Red Bull Music Academy Daily(アーカイブ)

要はジャマイカに発するDJバトルのようなもので、昔はけっこうバイオレンスだったらしい。
サウンド・システム – Wikipediaにもかなり詳しく記されているので読んでみると面白いかもしれない。

このライブラリーがぽつんといきなりリリースされたのかどうしても気になったので、LoopmastersのサイトでGarageってジャンルを見てみたら、直近のリリースがFreaky LoopsというメーカーのOld School Garage Sounds, 2-Step Garage Chord Loops, 4×4 Bassline Samples, 2Step Drum Loopsとなっていて、リリースされた日付は書かれていないものの(日時を明かさないスタイル、ホント嫌い)、YouTubeに3/9の日付で告知動画が上がっているのを見つけた。
新しいサンプリングライブラリーが色んなメーカーから毎日最低1つはリリースされている現在の傾向から考えると、このジャンルが再興してきたとはちょっと考えにくい。
それこそJunoを見てみても活気を感じにくいので、懐古という名のもとでネタものを作る上での素材提供と考えたほうがいいかなと思う。
とはいえ、Old School & 2Step Garageのデモ音源を聞くと、地味にモダナイズされたどっしり系サウンドになっている。
Speed GarageがそもそもUS Garageのトラックを早めに再生したために腰の高いサウンドだってことを考えると、必ずしも懐古にだけベクトルが向いた今回のリリースというわけではなく、他のジャンルへの素材流用を想定していたり、あわよくば誰よりも先に再興に向けての音ネタ提供をしておこうみたいな目的があるかもしれない。
わかんないけど、憶測として以上のように思いました、という日記。