Spectrasonics “Omnisphere 3”

SpectrasonicsからOmnisphere 3が告知されてますね。
音楽関連のニュースサイトを見た感じでは、見栄えも大きく変わらず、ちょっと手入れをしたくらいのメジャーアップデートなのかなと思いましたが、サイトを見てみると、かなりあちこち手が加わっているようです。
発売開始は10/21で、アップデート価格が日本円でほぼ3万。
新しくライブラリー数が18個追加になっており、それぞれ500から多いものでは3,000ものパッチを含んでいるため一通り聞いて確認するのも大変。活用するとなると英語タグによる絞り込みに慣れるほかなさそう。

Absynth等にもあったようなミューテーション機能、そしてフィルタの増強、EDM向けのWavetable、MPE対応と、互換性を維持した機能強化が目立ちます。
Magma FXの余韻をずっと残し続けてきたFX部分にも今回大幅に手が入り、EQだけでも6種類備えるなど細かな音の作り込みのニーズに応えるようになりました。
なおかつ、ソフト音源としてのOmnisphere以外にエフェクトプラグインとしての仕組みも備えるなど、活用機会を広げるさまざまな構想が実現されているように見受けられます。
紹介動画、私は未見ですが、実際の動作が気になる人はご確認を。
ユーザー各々で感じ方は違うと思いますが、Spectrasonics製品の中でもOmnisphereの先代に当たるAtmosphereはシンセのサウンドデザイン、加工された音、動きのある音を特徴としたもので、いわゆるソフトシンセというよりもクリエイティブな内容のサンプリングCDを再生する専用ソフトって趣が強かった。そうしたサウンドデザインにも時代ごとの流行りがあって、Omnisphere内に残っているAtmosphereのライブラリをいま聞くと使うのに若干の抵抗を感じるものも少なくない。
Omnisphere以降、ピアノを燃やしたり、本来減衰音である楽器をe-bowで鳴らしたりといった、机上で済まさないまでもサウンドデザインの魂を引き継ぎつつ、新旧のシンセサウンドを鳴らす仕組みにも力を入れ始めた印象がありました。
個人的には、ようやくシンセとしての仕組みが充実してきたかな、という印象です。