Soundiron “Nightmare Violin”
Soundironから少し前にNightmare Violinという不穏なビジュアルのライブラリーがリリースされていまして、NFRのご提供いただいたのでいつも通り機能や操作感など綴っていきます。
Harmonic Tidesってのも同時にご提供いただいたのですが、明日辺りに別記事として記します。
ちなみに、どちらもSonicwireではまだ扱われていないみたい。
なんと、Decent Samplerに対応してるではないですか。
とはいえ、Kontaktほど大量の機能は搭載されていません。
あとオーディオファイルは無圧縮WAVで収録、つまり自由にエディット可能。
機能、操作性
すぐにわかる通りバイオリンのサンプルライブラリー。ピチカート、リコシェ、スルポンティチェッロ、トレモロ奏法と、スティンガー色の強い(といえば伝わるだろうか)意図的に偏った内容です。
リアリティへのこだわりより素材としての活用度を提供するのが、Soundironの汎用製品の共通点で、EGやLFO、アルペジオ等、恒例の編集機能がインターフェース上に揃っています。
音域や演奏可能性は束縛なし。かなり野蛮な内容の表現が可能で、あるいは上に載せた動画のようにエフェクトラックで歪みを効かせたサウンドを作って攻めまくるのもありでしょう。もちろん歪ませる以外に自由な発想を反映させて全然OK。
全体的な収録サウンド(およびプリセットnki)の方向性としては、演奏の下手くそさや不安定さに基づいた不穏さを帯びているってのではなく、怖さは、色々表現できるうちの一つって感じ。まあ怖さ方面の演出に使用するのが最も順当でしょうけども、使いようによってどうにでもなるよって内容です。
毎度Soundironのサウンドライブラリーで個人的に楽しみにしているのが、原型がわからないほど加工された抽象サウンドすなわちAmbisynthまたはAmbienceと名付けられたバンク。
本製品においてはトータルで40の波形データを収録。
シンセではなかなか出せない音なので、ソフトシンセやハードウェアPCMシンセに飽いたら、何らかのインスピレーションの元とするにはちょうどいい。
製品パッケージですが、nicntを持たないためインストゥルメントラックには表示されません。人力でnkiをKontaktに投げ込んで開くスタイル。
スナップショットもないので、自分で手探りで機能をうまく組み合わせて好みの音色を構築していく必要があります。
メイン画面にランダマイザーがあるので、ギャンブルでダイス振ってもいいんでしょうけど。
汎用性だの自由度だのと書いてきたものの、正直、素材が素材なだけにそこまで幅広いジャンルに対応するとも言い難い。
とはいえ、この類のサンプルを入手するのが難しい(デカいパッケージ製品の一部に収録されていることはあるので、欲しいとなると丸ごと買わないといけない、という意味)のも事実なので、そっち系の制作を中心にされている方や、何か今までと違うインスピレーション源が欲しい人には重宝するのではないかなと。