Soundiron “Harmonic Tides”
昨日の記事で予告した通り、Soundironの新作Harmonic Tidesについても、いただいたNFRを参考にしつつ、機能、操作性などレビューしていきます。
機能、操作性
機能はこちらもSoundironの汎用音源同様にEG, LFOなどの共通インターフェースを備え、スナップショットの代わりにnkiをロードする方式で、KontaktのFXに準拠したFX Rackを装備。
昨日のNightmare Violinがバイオリンの特殊奏法のライブラリーであるのに対し、Harmonic Tidesはチェロとコントラバスのライブラリーなのですが、シリーズというわけではありません。
Nightmare Violinはバイオリンの素の音が収録され、Harmonic Tidesはチェロとコントラバスの素の音は収録されておらず、TidesとSwell、およびAmbienceの加工音声のみが収録されています。ただまあ、全部がAmbienceみたいな音色と言って過言じゃありません。比較的密度の濃いものがTidesとSwell、もう少しふわっとしたものがAmbience。
内容自体は決して悪くありません。
弓弾きの摩擦音の雰囲気がわずかに残った、安定感のある(Tides)、またはゆったりと変化する(Swell)音が収録され、低音弦の発するアッパーストラクチャー風の独特な倍音が魅力となっています。
Ambienceはこれらと比べてもう少し加算合成チックな響きが中核となっており、楽器にまつわるノイズのほどよく散りばめられた音色が印象に残ります。
全体的にグラニュラーエフェクトに依存し過ぎかなとも思います。
画像等で連想させられる不穏さは、Nightmare Violin同様にこちらのライブラリーでも感じられないことないのですが、実際の出音は予想より無味無臭に近く(味気ないという意味ではなく、さほど癖がないという意味)、ハッピーだのアンハッピーだの方向性の制御は自分が奏でるフレーズやハーモニー、エフェクト次第と言えそう。
ただし、フィルター×ベロシティフォローまたはフィルター×キーフォローを適度に設定しないと、求めている以上の重厚感が出ちゃう可能性があります。
要は、悪くない内容だけど、コツがユーザーにも必要っぽいですよ、と。
むろんこの製品に限った話でもないのですが。