Sound Iron “Olympus Symphonic Choir”

時宜を逸した感ありますが、クワイヤー(Choir;合唱団)を使った制作案件が立て続き、手札も増やしておこうかってことで、Soundironの Olympus Symphonic Choir を導入しました。ブツ自体は2012年ごろのものらしい。

手持ちだったのは、EXS24、Kontakt 5、Omnisphere 2、Alchemy、あと近作SHIHO supported by WOMの拙作「Karma」ではHalionも使用←嘘、その後Olympusに差し替えた。
手始めにこの手持ち分の各音源の印象を記しておくと、

  • EXS 24:男声女声少年とグレゴリアン、ゴスペルの区別があるが、全体的に眠い母音でVP-330っぽい響き。雰囲気担当。
  • Kontakt 5(factory content):四声と混声で5つの母音+ハミング。これも全体的に眠め。気休め程度。
  • Omnisphere 2:男声女声少年とテナーソロとソプラノソロ、ゴスペル、ジャズ、喉声(いわゆるホーミー)。フレーズや効果音的なものも幾つか。コントローラビリティはさておき、簡易的にはバリエーションが多い。力強さはないので雰囲気担当。
  • Alchemy:男声女声。母音が幾つかと、フレーズや和声ものも幾つか。ソロボイスのほうが面白く使える。
  • Halion 5:気休め程度だがシンセ音色として使うなら悪くはない。

それと一応、JV-2080のボイス音色をEXSにサンプリングして持っているけど、これも元のサンプリングレートがおそらく32kHz程度と思われるのでシルキーな響きとは言い難い。

今回の音源環境補強に際して、他の選択肢にはEastWestのQuantum Leap Symphonic ChoirsやCinesamplesのVOXOS 2、VirharmonicのChoral Bundleがありました。

これらも率直な所感を記しますと…

  • EastWest製品はバグがあった場合に対応が遅い(数ヶ月かかる場合がある)のと、PLAYエンジンはピッチのコントロールを苦手としているのと、ライブラリー自体がかなり古いのでハイレートの制作に向かない可能性がある。
  • VOXOSは古巣C社が取り扱ってるんで、日記で取り上げる際にステマ疑惑向けられるとイヤだなあ。てか、以前にこおろぎさんが既にレビューされているのでわざわざカブらんでもよいでしょう。
  • Choral Bundleはデモを聞くと少し継ぎ目が雑に聞こえたのと、ネウマ譜を思わせるUIが使いにくそう。発音記号もちょっと特殊かもしれない。

結果、あまり他で見かけないもののほうが面白い機能がついてて(自分が)触発されるかもってことでSoundironのものになりました。
ところが、あとで調べたらC社で「Olympus Elements Player Edition」っての扱ってるんですね。機能縮小版のようです。

ライブラリーのサイズは45GB。サンプル数は42,000。
そもそも男声のMarsと女声のVenusで別製品であるのをまとめてOlympusとしているようです。
なおデフォルトで24bit/48kHzのデータであり、ディナーミクがppからfffまで、また母音や特殊発音、それにフレーズ別に分かれてるライブラリーであると考えるとデータサイズやサンプル数は若干控えめな印象も無くありません。
金額は現在の為替相場だと60,000円くらいですかね。

インストーラーのサイズは当然大きくて、Friedlander Violinのときと同様、ContinuataのConnectを用います。

Embertone “Friedlander Violin”

ちょうど我が家のネット環境が芳しくない状況で、ダウンロード完了するまで正味3日かかりました。
注意したいのは、購入後にインストール用のdownload codeが送られてくるメールがまるでSPAMみたいな文面で、メールソフトやセキュリティソフトによってSPAM扱いされてしまう可能性があるところ。
メールの再送リクエストはWebにも記されていないため、このメールが削除されてしまうとサポートに連絡する他なさそうです。

さて操作感やサウンドなど。
nkr, nkcの形式なのでKontakt 5のlibraryには表示されず、Quick-Loadかbrowserから開くことになり、アクセスおよび視認性はよくありません。特に、歌詞をコントロールする必要のある状況でのPhrase BuilderがMarcatoから辿り着く必要があるのは少々わかりにくい。

サウンドのクオリティは、帯域、奥行き、広がりとも清浄感が顕れていて、とてもよい。
他のクワイヤ系製品に比べるとややドンシャリな印象を受け、オケとのバランスは多少配慮が必要そうですが、強音は迫力ありつつも過密感が控えめなので結果的にミックスは楽そうです。
逆によけいなリバーブをかけるとしんどいことになるのではと思いました。

メモリについては、食う音色は冗談抜きで膨大に食います。
が、ざっと使う分には他の同種のライブラリよりもかなりコンパクトな印象を受けます。

冒頭に記した通りブツ自体は2012年と若干古めなのですが、そもそも電子音楽等の素材と比べると時代の影響を受けにくい素材なのでその面ではさしたる問題もないかと思います。
むしろそこそこハイレートで収録されているので本気使いでいけるのではという印象。

操作性 ★★☆☆☆
レスポンス ★★★★☆
音質 ★★★★☆