Sonica Instruments “Taiko Thunder: The Ultimate Collection”

Sonica Instruments “Taiko Thunder: The Ultimate Collection”

世界最高水準の和楽器ライブラリーを開発提供するSonica Instrumentsから、和太鼓音源の「正解」といえるTaiko Thunder: The Ultimate Collectionが、1月末にリリースされます。
同社の琴や三味線についてはノータッチで来ましたが、何度か記したようにKabuki & NohのBFD版に関しては非常に重宝してました。

KABUKI & NOH PERCUSSION 96k MASTER EDITION

情報

  • Kontakt Player 6.8以降、NKS対応
  • 69GB(無圧縮時207GB?)
  • 定価¥96,800、プレオーダー価格¥62,920

機能、操作性

NFRをもらっているわけではないので、上記動画を一通り見ての推測になります。
Walkthrough動画が非常にいいまとまり方してるので、一見の価値あり。

まず打点とMIDIキーの対応、この一点ですぐさま自分は惹きつけられました。
和太鼓サウンドは、ご存知のとおり洋画の緊迫シーンでさんざん使われてきて、そのサンプルを補給するライブラリも大量にリリースされてきたわけですが、正直イマイチなものも随分多い。
音がイマイチだったり、音はイイんだけどイマイチ感情移入できなかったり、なまじ和太鼓の演奏を本物ないし映像で見る機会が多い自分には自分なりの厳しい目があるようで、それらしき音源を手に入れても満点は付け難く、打ち込むフレーズ側を変えることで態勢を取り繕ったことも一、二度あり。まあ、冷静に考えて不健全ですよね、これ。
なので、サンプルに関して申し分ない上、自分で叩いてる感のある斬新なキー配列まで導入されてるとなると、いやが上にも格別感を感じてしまいます。
キー配列もですが、モジュレーションホイールで操作できるのも没入感があってよい。

Kontaktは本来物理モデリング的な仕組みを持てないのですが、擬似的といえばそうなのかもしれない、”Modeler“を備えている点も要注目。
実際に膜の動きを再現しているとか、胴の共鳴をインパルス応答で再現しているとか、さすがにそういうものではなくエンベロープやピッチを操作するもののように見えますが、出音に違和感を生じさせることなく自然さを保ててる点にちょっと驚きますね。
本職の人が耳にしたら違うのかもしれませんが、誰が何のために使うものなのかを考慮に入れたならば充分な出来だと感じます。

和太鼓以外の楽器、チャッパ、鉦鼓、神楽鈴、掛け声…これらの出番ありやなしやについては何とも言えませんが、ちょっとしたオマケとして付いてるとしても細かな配慮が行き届いてます。
掛け声なんかはピッチ以外にタイムストレッチにも対応しており、Kabuki & Nohで感じた、’結局元サンプルを裸でDAWにロードして適宜修正する’みたいな面倒から脱せた点も、個人的には高く評価したい。

このほか、最大4人までのアンサンブル、7系統のシグナルミキサー、1400のMIDIデータ、TAIKO-1への対応など興味深い特長がいくつかあります。

開発がフルで国内で行われているのかちょっと定かじゃありませんが、これクラスのKontaktライブラリが国内で作られるようになったことは、それだけでも喜ばしいことです。