Sonic State “Mono Junction”

「フリーソフトが Pulse Width Modulation を次世代へ」と大仰に紹介されていた Mono Junction を試した。
Pulse Width Modulation(PWM)というとイマイチ潰しの利かない印象がある。

Free Software Synth Takes Pulse Width Modulation To The Next Level

PWM?

Max 4 Liveがインストールされた環境であればすぐに使えるもの。
ゲットするのは若干面倒で、Sonic State.comに申請してダウンロードURLを送ってもらい、3度までDLできるのだが、表示されているDropboxへのDLをうちでは2度無視され、結局通常にDLせざるを得なくなり残機ゼロ状態になった。なんやこれ。

PWMあれこれ

PWMでの変調は比較的単純なソフトウェアアナログシンセ、たとえばLogicだとES2、Alchemy、CubaseだとRetrologue、LiveだとAnalogなどの純正プラグインやXferのSerumにも備わっていて、LFOからルーティングさせてやればどれも似たような音は作れる。

蛇足だがいわゆるチップチューン的な8ビットサウンドは矩形波(パルス)を1/8=12.5%、2/8=25%、3/8=37.5%、4/8=50%に設定すれば出る。
こだわるなら問題はノイズ音と三角波で、内部処理時の解像度が絡んでくるので単純なビットクラッシュでは再現しにくい。
YMCKのMagical 8bitはノイズも三角波もいい音だが少なくともMacでは作り込みにくい。
Plogueのchipsoundsは最新版だと改善されたが、それまではノイズが嘘くさかった。
Helm Freeは三角波がいい感じだがノイズが出ない。あとやたら重いときがある。
ReasonはThorのノイズジェネレーターでいい感じのノイズが出る。

いずれにせよ8ビットサウンドらしさはノート発音時の細かな(サブルーチン的な)ギミックや、低解像度ならではのビブラートの粗さがないとパーフェクトにならないので、今のDAWだと解像度が合わずほぼ不可能。

話は戻って、矩形波以外にPWMを使えるのはいま挙げた中ではSerumが唯一か。

Mono Junction どうなのか

Mono Junctionだとそれ以上のことができるのか!と思って試したものの、結論、矩形波にしか使えなかったので個人的には「次世代も何も…」という感想だ。
その代わり、オシレーターレベルで矩形波に対してPWM変調が加わるNegSawPWというオシレーターは、リングモジュレーターライクにひねくれたピッチが発せられて非常に面白い。
最近はほとんど聞かなくなった、かつてTV番組でよく聞かれた「電車でGo!」のエントリー音みたいな和音が簡単に出せそう(おそらくもともとRolandのJV-1080辺りのプリセット音色だろうと思うけれども)。
もう1点、LFOに手動で加えられるSmooth, Jitter, Offsetの3パラメーターもとてもよい。
SmoothはSerumにも備わってるな。ただただ愚直に演算するというのがSerumのいいとこでも悪いとこでもあって、ルーティングを組むときに「あれ?」と思わされることが多々あるけれども。
JitterはMaxといえばJitterってのではなく、荒れを加えるもの。
Offsetは位相の開始位置ではなくDCにバイアスを掛けるもの。
多くのソフトウェア、ハードウェアシンセはLFOの扱いを「お前はただそこにいればいい」式にしか扱っていないが、このLFOの扱いはかねてより欲しかったものなので、個人的にありがたくもある。

個々の要素として面白い面は多いけれども、Max4Liveでしか鳴らせないというのと、モノフォニックなのにレガートが利かないって点で、シンセの実用性としてはあまり高くないという印象だった。

なお、Windows用の古いVSTエフェクトでAnarchy SoundのPulse Width Modifier (アーカイブ)というのがあって、これもリングモジュレーターライクなサウンドを生む。

操作性 ★★☆☆☆
レスポンス ★★★☆☆
音質 ★★★★☆