Sonible “smart:reverb 2”

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Sonible “smart:reverb 2”

smart:reverb 2 by sonible - the content-aware reverb plug-in
smart:reverb 2 by sonible – the content-aware reverb plug-in

Sonibleから新作smart:reverb 2が登場したようです。
前のバージョンと比べて、パラメータの自由度がだいぶ高まったようで。
NFRをいただけていないので、実際の操作感は不明。もしこれからいただけるようであれば、本記事に追記します(トライアル版もあるのだけど)。

情報
  • Windows, macOS対応
  • VST, VST3, AU, AAX
  • 要iLok
  • 定価€129、イントロ価格€89

4種類のリバーブアルゴリズムが左側にマトリックスのように配置されていたり、おそらくディフュージョン(リバーブアルゴリズムとイコールなものかもしれないが)と思われるものが右側に配置されていたり、リバーブに対する認識ごと更新されそうな気配。
そしてグループとして管理できる点も興味深い。
AI(機械学習)がまだ世の中に浸透しきる前から音楽ソフトに組み込んだデベロッパーの一つだけあって、単純に「依存」するのとは異なり、変にブラックボックス化せず、かつ作り手の意思をいかに反映させるかといった部分において、競合と一線を画す仕上がり/設計になっているように思います。

前々作だったか、prime:vocalのときには「すわ、限界か…?」と思わされちゃいましたが、まだまだこの路線でイケそうです。

追記250619

機能、操作性

NFRが手に入ったので早速動作チェックをしてみました。
sonible製品をあれこれ使っている人にはそこまででもないと思うのですが、一般的なリバーブエフェクトのプラグインだと思って接すると色々と面食らう部分があるだろうと思いました。

第一にDry/Wetバランスがなく、強いていえばDistanceがその効果に近い。同じようなパラメータを持つFabfilterのPro-RでもDry/Wetバランスを備えてるんですけど、ここにはそれがない。

起動したらまずLearnボタン(●)を押すってのがsonible製品の鉄則みたいなとこありましたが、本製品でも例に漏れないものの、Learnボタンを押した後も出音に変化がないので「ん?」ってなります。実際のとこLearnで何がLearnされたのかがもう少し直感的にでもわかると良さそうです(実際には、入力ソースに適したリバーブアルゴリズムを生成するらしい)。

自動音量調整をしてくれるんですが、LogicのSession Playerトラックを使用しているせいなのか、Roomアルゴリズム周辺を選択していると、音量が不安定になりました。若干薄気味悪いですが、これはユーザーが慣れるべきなのかな…。悩ましいところ。

基本的には一度決めたアルゴリズムを動かすことはないと思うので、これは参考程度の話になりますが、おそらくDistanceの計算結果によりコムフィルタ効果(ディスタンス・フィルタの効果らしい;無効化可能)がかかっており、アルゴリズム内を移動したりDistanceを調整するとフランジングがかかる場合があります。
そして、おそらくそれがきっかけかと思いますが、スペクトログラムの塗り替えが発生し、これが地味にPCに負荷をかけてるように見えます。もっとも、これもSession Playerトラックのせいかもしれません。

といった感じで、全体的にですが、一般的なリバーブエフェクトに備わっているパラメータと異なる部分が多く、smart:reverb 2という全く別のリバーブと考えたほうがいいだろうと思いますね。新製品だからと忙しい最中に飛びつくと妙なストレスを抱えることになります。
基本的な設計や思想には特に文句なし。しつこいようですが、一般的なリバーブエフェクトを使用している方々がスムーズに乗り換えられるような仕組みがあればなお良かった、という印象です。