Rec 時にボーカリストに望むこと何点か

最近、この手のわりと初歩的な記事(6 Mistake Beginner Guitarists Often Make (& How To Avoid Them) – MTT – Music Think Tank)が海外だと読まれやすいようなので、あくまで個人的な見地からですが要望をまとめてみます。

初歩

希望

  • テイク同士でマイクとの距離は一定に保ってほしい。
    • ライブでのマイクコントロールとレコーディングでのマイクコントロールは別。
    • 「コブシ一個分」は絶対でなく基準。
      ボーカリストがパワフルであったりシャウトが多いなら50cmくらい離れることもあり、静かに囁くなら2cmくらいまで近づくこともある(【参考】Vocal Miking Tips – Shure)ので、臨機応変に且つ距離を考慮して録音順序まで考えたい。
    • エンジニアおよびプロデューサーの指示に従う。ただし以前に別のエンジニアに助言をもらったことがあるなら、それは情報として共有されたい。おくすり手帳みたいなもん。
  • どこまで伸ばす、どこで切る、ビブラートをかける/かけないをすべて確定させた状態で歌ってほしい。
    • 基本的には当人の歌い癖によって必然的に一定になるのだけど、少し長めの音符は「次の小節の一発目のスネアの位置まで伸ばす」とか、大事な言葉が登場する部分は、流れて聞こえないように直前で一度声のトーンを仕切り直すなど決めるべき(当日作家が立ち会う場合、この指示が出るはず)。
  • 失敗したら誤魔化して歌い続けない。
    • 誤魔化した部分以降にイイのが残せる可能性がないわけじゃないので、人によっては続けさせるかもしれない。プロデューサーの指示に従う。
    • 誤魔化した部分をその場でマーキングするといいんですけどね。

効率性、コミュニケーション面

  • 自分が歌いやすい姿勢、恰好を知っておくといい。
    • 胸を張るとかえって音程が安定しない、スリッパだと歌えない人はそう主張していい。
  • よく使う音楽用語(クレッシェンドとかセーニョとか)、生理用語(唾液とか鼻腔とか)は知っておくといい。
  • 自分の声質/歌い方と相性のいいマイクを知っておいてもいい。
    • 自分用のを所有しようとする人もたまにいるけど、自分で管理/メンテナンスできないなら、ないほうがマシ。
    • ただし、ライブで歌う用のマイクとレコーディング用のマイクは全く別物なので、「先生にこれで歌えと言われた」と持参されても困る。
  • 自分が歌いやすいモニターバランスを知っておいてもいい。
    • 自ハモをRecする際にメインパートが聞こえてると歌えないとか、オケが小さめのほうが歌いやすいとか、エコーかかった状態で自分の声を返してほしいとか。
  • 癖は自覚したほうがいい。
    • 本来Rec時で言うことではなく、ボーカルレッスン時にここはクリアされてあるべき。

要望

  • Rec直後のものは完成品ではない。
    • 多少リバーブなど加えた状態でプレビュー(チェック)しますが、それは完成品ではないので、原則、この場面であまりディープな作り込みを要求するべきではない。
    • 自分が作り手自身でもある場合に、「このテイクを逆再生したらどうか」「ボーカルを歪ませたら極端に聞き取りづらくならないか」判断して歌い方を多少調整するために試してもらうことはあるかもしれないが。
  • 歌詞内容にしたがって声に表情をつけてほしい場合がある。
    • ポジティブな単語を局所的に明るい声色で歌ってほしいなど。
      声優系、アニソン系にはこれが得意な方が多い印象だけど、ただ歌が上手いって人には案外声に表情がなかったりする。
      アレンジでどうにかしようとするとToo Muchになる(今それがふつうではあるけど)ので、人任せにせず声色で持っていけるなら持っていってほしい。
  • 本気外国語の歌や、部分的にでも長めな外国語詞はパーフェクトな発音でないと曲ごとボツになりやすいので、やるならパーフェクトな発音で。「合ってると思う」「合ってるつもり」ではOK出せない(僕は、ですが)。
  • 作家が立ち会えない場面で、勝手に歌詞やフレーズを変更したりフェイクを入れたり、ハモりを追加しない。
    • 作家の名前が出る場面で不本意なアレンジを行われると予定外の手間が発生してスケジュールに支障を来たしてしまう。
  • 体調をカバーする歌い方を持つのもいい。
    • ベストエフォートを提供できないならその日のRecを断念するのも一つの答えだけど、人によってはモノマネなら歌える歌い回しってのがあって、戦略として自覚しておいてもいいと思う。

補足

あと、これは心当たりのあるエンジニアさんに。

  • テイクつなぐなら、繋ぎ目をきちんと確認してほしい。呼吸がばっつり切れてたり、明らかに繋いだノイズが乗ったまま渡されることがある。
  • 途中でマイクを変えたりセッティングを変えたりした場合は、新しいトラックにレコーディングしてほしい。同じトラックだとそのまま連番がついてしまって整理の手間が発生する。

【参考】

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