「Serum vs Massive X: Which Is The Best Synth Plugin?」

SerumとMassive Xでベストはどちらかって記事がEDMPRODに載ってましてですね。
単なる比較記事ってよか、ふつうに案内記事なんでしっかり知りたい人はお読みいただくとよいかと。

Serum vs Massive X: Which Is The Best Synth Plugin? - EDMProd
Serum vs Massive X: Which Is The Best Synth Plugin? – EDMProd

自分なりの答えとしては、今はどっちでもない。
以下、あくまで私見ですが、これからの人に向けてもし何か勧めなければならないのであれば、

  • がっつし本気で界隈に踏み込むのなら市販のプリセットが充実してるSerumを推したい
  • マニアックに、ストイックに音を追求したいのならMassive Xを推したい
  • オランダ系のオラオラした方向を好むのならNexus 3か、この年内にもお披露目になるGenesis Proを推したい
  • WAVEやSYNTHPOP方面を好むならハードウェアの環境に比重を置き、ハードウェアシンセを推したい
  • アニソン系のゴリゴリした方向性を好むならNexus 3とHALionとSerumをセットで揃えるか、都合のいいサンプルパック(1年以内のサンプルパックはベクトルが逸れてきてるので、1年位前の製品がいい)、または国内メーカーのハードウェアシンセ(PCM)
  • 洋楽かじった感じのJ-Popを好むならArturiaかUVI製品あたりもアリ
  • ニカ好きは…Max等サウンド系のプログラムに手を出してはどうか

という感じ。

もちろん、たとえばNexus 3はオランダ系のみにオススメってことはないのだけど、こうした何に何を使うかってのは近年特に収束傾向が強くてですね。たとえばダブステ作るのにSylenth 1使ってますっていったらすぐバカにするでしょ? 何使おうが大きなお世話だと思うんですけどね。

さてSerumは、MassiveがMassive Xに進化したのと違い、新機軸を見つけない限り今以上に進歩することはなさそう。新しく音色パックが発売になりはしますが、バリエーションは収縮してきてます。
Spireが対抗馬として期待されましたけど、若干FM合成の比重が高いせいでわかりにくくなり、浸透し切らなかった。

MassiveはMassive Xで化け物にはなったけど、八方美人を狙った結果鈍重化した印象。時代が追いついてない。
その意味じゃ今のうちに使い慣れておくと、時代が来たときに先駆者になれるかもしれません。

ダブステダブステ言われていた頃までは、新参者もいかに自分しか出せない音を出せるか期待される空気があったんですが、今はベタな音や展開への依存度が少々高め。敷居が下がって裾野が広がったぶん、どういうとこで勝負すべきかを各々が考える必要あります。

てことで、これからの方にSerumとMassive Xの二択でどちらを推すか問われたならSerumを推したい。
Serumが使えたら大体のほかのソフトシンセも使えますし、再三記したように市販のプリセットからノウハウを知ることもできますんで。


余談ですが、昨日Plugin Allianceからアンケートへの回答リクエストがあって「最近ベストといえるプラグインソフトがあったか」と設問があり、しばらく考えて、立て続けにこの日記でも取り上げたReason Rack Pluginと答えました。
同期の不確実性やキーボードショートカット絡みのバグなど、使うごとに不満も見つかるし、何かの音っぽくしたいという指向にも沿わないものですが、やりたいことを実現するために機能をどんどん乗っけられる拡張性は恐ろしい。
ReaktorやMaxもこの方向性のものだけど、プログラムを書いてまで…ってとこ自分にはあるので、Reason Rack Pluginが好都合なんすよね。