Serato “Hex FX” – 素早く使えるマルチFX

Serato “Hex FX”

DJソフトウェアでお馴染み、んで、Pioneer DJ(AlphaTheta)による買収を巡ってInMusicがクビ突っ込んできたことも記憶に新しいSeratoから、DJ用途でも制作用途でも便利に使えそうなマルチエフェクトプラグイン、Hex FXがリリースされています。

AlphaTheta (Pioneer DJ) just acquired Serato Audio Research (Serato DJ)

情報

  • Windows, macOS対応
  • VST3, AU
  • 定価$99(イントロ価格?)、サブスク$9.99

Hex FX

HEX FXの詳細情報ページ
SERATO社製 プラグイン・エフェクト 「HEX FX」の製品詳細情報ページです。

オーバービュー動画が今ひとつパッとしないので、ご存知Disclosure兄弟の弟のほう、Guy Lawrenceのデモンストレーションを見たほうがいいかも。

機能、操作性

DJソフトウェアにおいてはコントロールへの即応性が肝心要だと個人的には思っていて、その蓄積をぶち込んできたマルチエフェクトとなると注目せざるを得ません。
オーバービュー動画だけでそれを測ろうと思っていたら上に記した通り…。トライアル版を試させてもらいました。

うちは基本的にLogicをデフォの環境としており、インストールして初めて起動した際にインターフェースが表示されませんでした。AU版のバグかな?ってことで、Ableton LiveでVST3版をロードすると、認証目的でブラウザが開き無事起動することができました。その後はLogicでも問題なく起動。
Logicの場合、初回はRosettaで起動したほうがいいかもしれませんね。

追記

Logic環境ではインストール後も必ずしも上手くロードされないっぽい。
Vocaloid NT2(評価版)のロードも時折失敗するので、ネイティブ環境側に何か問題ある可能性あり。

  • Rosettaモードでいったん起動
  • プラグインリストのRescan
  • ここに記したAudioComponentRegistrarつつきをしとくと改善する可能性がある

とのこと

インターフェースは製品サイトで見られるまんまで、ビッグノブと個々のスロットのエフェクト用ノブ、そしてフッタ部分の各コントロールが表示されるだけ。着色された大きなストリップボタンを押すとエフェクトのOn/Offが切り替わります。インターフェース右上のPARAMSってボタンを押すと、個々のスロットのエフェクトのパラメータが表示され、ビッグノブにアサインできるようになります。
正味な話、機能としては以上で終わり。シンプル。

エフェクトの種類、プリセットの種類はそこそこの数が用意されていて、当分は飽きないかなと。

DJ用途で使用するとは限りませんが、インターフェースのシンプルさ、視認性、即応性が期待通りクオリティ高し。並べ替えの容易さ、操作時のアーティファクトの抑制についても流石という感じ。MIDIコントローラー等との連携についても期待が持てそうです。
精査が必要ではありますが、個々のエフェクトの質はまあまあじゃないでしょうか。あんまり精度を追求したようなエフェクトになるとレイテンシーも大きくなってしまいますし、アーティファクトの発生率も上がってしまいます。もしそういったテクニカルなエフェクトを求めるのであれば他のプラグインエフェクトとの合せ技を考えたほうがいいでしょう。

カスタマイズ方法については、マニュアルをまだ読んでないので詳細不明。動画を見た感じでは特に難しいこともなさそうですけども。

総合的に見て、マルチFX用途として使うには使いやすくて非常にイイと思います。DAWにデフォで備わってもいいくらい。


若干似た方向性のものとしてThenatanのソフトウェアがありますね。
ちなみに、これまでのThenatan製品をまとめたBundle版なんかが扱われていますが、どうもOSやDAWのアップデートにキャッチアップしていく気配がなく、機能的に面白くても導入はリスキー。
Logic環境ではRosettaに非対応のプラグインを突き止めるのがわりと面倒なこともあり、個人的には導入をお勧めしません。