Logic Pro : 選択範囲処理 でリバーブを使ってみる

Julia MichaelsのLie Like Thisのリバーブ処理が見事だなあと見ていたら、2コーラス目のAメロで「ん!?」と思わされちゃいました(もはや曲自体を聞いていない職業病)。
結局まだそこで何がなされているかわかってないのだけど、あれこれと考えてるときにちょっと思いついたことがあったので記してみます。

たぶんPro Toolsの機能をLogicが真似たのだと思うのですが、いつからか「 選択範囲処理 」ってのがありますね(Studio Oneにもある)。原則、オーディオデータにしかかからないので見落としがちですが。
で、こういうことをしてみます。

(1) Vocalリージョンを
(1) Vocalリージョンを
(2) 適宜裁断して(ここでは実験なのでOption+ハサミで8分音符に均等分割した)
(2) 適宜裁断して(ここでは実験なのでOption+ハサミで8分音符に均等分割した)
(3) 選択範囲処理;オーディオリージョンを選ぶと機能メニューから使えるようになる)
(3) 選択範囲処理;オーディオリージョンを選ぶと機能メニューから使えるようになる)
(4) リバーブもざっくりこんな設定に
(4) リバーブもざっくりこんな設定に
(5) 1つずつ「適用」してもいいのだが、まとめて「適用」するときちんと個別に処理してくれる
(5) 1つずつ「適用」してもいいのだが、まとめて「適用」するときちんと個別に処理してくれる
(6) テイクとして書き出す設定だとこうなる;一部波形が見えてないのはバグ
(6) テイクとして書き出す設定だとこうなる;一部波形が見えてないのはバグ
(7) 折り畳んでおきましょう
(7) 折り畳んでおきましょう
(8) グリッチ乗っちゃうのでフラット化したあとクロスフェードをかけた
(8) グリッチ乗っちゃうのでフラット化したあとクロスフェードをかけた

要するにリージョンを切ったら、そのリージョンの範囲にだけエフェクトをかけてフィックスしてくれるんで、Lie Like Thisの2コーラス目みたいな、”ゲートリバーブっぽいけど常時入力を受け付けてるわけではない”みたいな状態に一応はできました。
立ち上がりの速い長めのリバーブだと効果的ですね(長いリバーブほど立ち上がりが遅くなりがちなので、ちょうどいいIRデータを探すのが面倒だけど;それで(4)ではSynthesizedIRモードを使っている)。
(3)で新規テイクを作成にチェックを入れてるのは非破壊で処理つまりバックアップを取っておきたかったから。

リージョンにリバースをかけてリバーブをかけて、その結果に再度リバースをかけるって手法の亜種として使ってもいいかなと思いました。

最初の段階で狙いを定めてリージョンを切っておけば、ある程度の効果を得られると思います。
ただし、元のリージョンをゼロクロスでスライスしたからといって、必ずしもエフェクト適用後にゼロクロスのスライスとしては保持されないので、グリッチのない万全な結果を得たいなら(万全な結果以外要らないと思うが)、元のリージョンのいるトラックは残しておいて、別途、選択範囲処理用にトラックを複製し、そちらにフルWetでエフェクトをかけ、そうしてできたエフェクト済みリージョンにクロスフェードをかけて均してやるのが最もきれいな結果の得られる手順かと思います。

選択範囲処理用のトラックと一緒に鳴らすようにすればいい
選択範囲処理用のトラックと一緒に鳴らすようにすればいい

この間、歌詞を聞き取れるレベルで歌をがっつり歪ませるの難しくないっすか?と学生から質問があって、「トラック複製して元の音と混ぜればいいじゃん」と答えたら「思いつかなかった」と言っていたので、案外裏技チックなのかな…と思いました。
Dry:Wetのバランスがないエフェクターをはじめ、トラック複製によって表現手法が広がるので、面倒と思わず積極的にやったらいいですね(もっぱら自戒)。