意図的に難しくしてる手法あれこれ
誰が読むねんって話題でもたまに書いてみる。
- 心理的に難しい ≒ 未経験ないし経験の薄いもの
- 物理的に難しい ≒ 自身の肉体や、対象となる機構の仕組み的に難しい
自分の中にはこういう区別がある。
音ゲーでもバンドでも、わざわざ難しさを求められることが昔からあって、折につけ考えるのだけど、自分の中でもまだ体系的にはまとまっていない。
難しくしてくれって注文に対してどういうギミックを放り込むか、自分と周囲のバンドマン辺りの反応を参考に難度を5段階で上から順に難しい順に★の数つけることにする。
- ★★☆☆☆
8-16、16-8のタイムチェンジ
8ビートから16ビートに変わるのはそんなに難しくないが、逆が難しい。 - ★☆☆☆☆
モタり
譜面上の音符タイミングよりわずかに遅いタイミングで演奏するいわゆる”タメ”や”モタり”はそこそこ慣れないと難しい。
安定して続けるのが難しい。 - ★★☆☆☆
ラテン調の訛ったリズム
譜面だと近似値でしか書きようのないハネ方は慣れないと難しい。
これも安定して続けるのが難しい。 - ★★★☆☆
シンコペーション単位の混在
16分のシンコペと8分のシンコペがリフやキメの中に混在すると少し難しい。
耳や身体で覚えるタイプの人にとっては簡単で、しかし少し勉強を始めちゃうと逆に難しくなるっぽい。 - ★★☆☆☆
大きめのシンコペ
付点8分、4分、付点4分のシンコペは滅多に使われないので比較的難しい。
変拍子の感覚になって表裏が逆になる人と、次の強拍のタイミングが崩れる人とに分かれる印象。
シンコペしてポケットになった箇所に何らかの楔(ペダルハイハットを入れたり、演奏しているいずれかの楽器がその箇所で音を切ってあげたり目印をつける)を打ってあげると途端に簡単になる。 - ★★☆☆☆
奇数割り、偶数割り
16分を3つとか5つとか奇数音符単位で切って繰り返すパターンや、8分3連を4つとか偶数音符単位で繰り返すパターンは慣れないと難しい。
いったん慣れると逆にハマってそればかりになっちゃう傾向があるっぽい。 - ★★★☆☆
変拍子
Mission Impossibleみたいな、前例があってリズムリフが定着してる変拍子は難しくない。
昔のCMソングでよくあった、再生時間合わせるために変拍子を挿入するみたいなのも耳で覚えちゃうと簡単。
必然性のない変拍子は耳で覚えにくくなるので難しい。
それだけに作り手としてはパクるか大冒険して受け入れられないことを覚悟するかの二択に悩まされやすい。 - ★★★☆☆
ハチロクからのメトリックモジュレーション
3つでひとかたまりのフレーズが続いた後に4つでひとかたまりの普通の8ビートになるのは、未経験の場合まず当人にとって克服方法が見つけにくいかと。
音符の塊が突然減る変則には対応しやすく、音符の塊が突然増える変則には対応しにくい傾向があるように感じる。 - ★★★★☆
変拍子+シンコペ
問題はそれがシンコペと認識されるかどうか。
たとえば7/8+7/8の1小節目に8分音符のシンコペがあった場合、6/8+8/8と感じ取ることはできる。またこれが16分のシンコペだと格段に難しくなりそうだ。
どういう局面で登場するか次第でやたら難しく感じることはあると思う。 - ★☆☆☆☆
変拍子中の普通拍子
ホッとしてしまうためにテンポが揺れてしまう傾向があるみたい。 - ★★★☆☆
変拍子中の奇数割り、偶数割り
ただ延々と続けるなら奇数割り、偶数割りができる人にとっては問題なさそう。
問題は着地点を正しく捕まえられるかどうか。 - ★★★☆☆
奇数割りの奇数割りなど
たとえば4拍子で3つ割りのフレーズ3つで一塊とするのは、多少奇抜に見えてもやるのは意外と簡単。 - ★★★★☆
連符直後のプル、または連符に食い込むプッシュ
3連直後の16分のプッシュや、3連の最中の16分のプッシュは相当難しい。
だけど発想を転換すれば克服できるので、そこに気づくかどうかってとこでもある。 - ★★☆☆☆
常套フレーズをスリップさせたもの
たとえば|..xx.x..|(16分音符)っていうフィルを僕はよく使っていて、これは16分後ろにズラすとベタなダサいフィル。
おそらくそのダサいフィルに慣れた人にとっては脳内で勝手にダサいフィルの譜割りに補正されてしまうので、スリップさせたものが登場すると混乱するんだと思う。 - ★★★☆☆
揃っていないアクセント
アクセントを揃えるというのはアンサンブルの基礎なので、たとえば毎小節アクセント位置が違ったり、パートごとにアクセント位置が違うようなのは難しいと思う。
アクセント位置がズレていてもグルーヴになるものもあれば、成立しないケースもある。
掘り下げると相当ディープな世界。 - ★★★★★
分数の連符
たとえば4分音符3個分に5つの音を入れるようなタイプ。必然性があれば身体で覚えることはできると思う。 - ★★★★☆
ウラから始まる奇数割り、偶数割り
たとえば前の小節の最後から始まる3つ割りや3連など。これも必然性次第。 - ★★★★★
違うテンポの混在
デニチェンやゴスペルチョップ系のドラマーがよくやる、たとえばBPM120の上でBPM160のフレーズを叩くというもので、わりとインド音楽的な発想かと思う。
着地点に揃えるのがべらぼうに難しい。
だいたいの場合は正確さが多少犠牲になっていて、バンドの共演陣がズレを吸収してくれることが暗黙の了解になっていると思う。逆に言えば、独りよがりだと成立しない。 - ★☆☆☆☆
民族音楽系のリズム
ラテン音楽もそうだが、ベリーダンスやフラメンコなど特徴的なリズムは意外と浸透していてあまり難しくない。 - ★★★☆☆
リフのくせにたまにパターンが変わる
具体的には2コーラス目のAパターンの7小節目だけプッシュするとかいうやつ。
多少厄介だが頭で覚えればさほど難しくはない。 - ★★★★☆
♭13th
音ゲーというかリズムゲーは以上のように当然リズム的なギミックを罠にする。
バンドや作曲場面でいうと、♭13thをきっかけに調が変わってしまうものが意外と難しいみたい。特にボーカリストがパニックになる。 - ★★★☆☆
II-V崩れ
II-Vを使っておきながらトニックに行かないっていうAOR的手法も、調がダイナミックに変わるのでボーカリストが嫌がる。耳や身体で覚えるタイプの人はわりあい平気。
こうまとめてみて、自分の認識としては基本的に規則性を崩したり妙なとこに規則性を作ることにこだわりがあるっぽい。
テンポにこだわる方もおられると思うし、人それぞれだろうと思う。