Rhodes Music “Rhodes Wurli”


Rhodes Musicから予想外にもWurlitzerの音源、Rhodes Wurliがリリースされています。モデルは定番の200Aですね。
昔は鼻にかかったような音が田舎臭く感じて苦手だったのですが、今は”ここぞ”ってときに自分はRhodesよりむしろこちらを選びがち。
機能、操作性
ありがたいことに今回もNFRを頂戴したので、手持ちのほかのWurlitzer音色(Logic “Vintage Electric Piano”, Spectrasonics “Keyscape”, AAS “Lounge Lizard 3″など)と比べつつ記していきたいと思います。
Rhodes V8 Pro、Rhodes Anthology同様、Romplerであって物理モデリングではなさそう。ということであれば、必然的にVintage Electric PianoやLounge Lizardのような減衰の調整やピックアップの調整など、細かな作り込みは不可能です。
Rhodes “Rhodes V8 Pro”
Rhodes “Rhodes Anthology” – 万能…とも言い難い
同じRomplerスタイルであるKeyscapeと比べてどうかというと、本製品のほうが質感に並ならぬこだわりを感じます。ヘッドフォンをして鳴らしてみると、予想より遥かに生々しく、その場で自分が鳴らしている感触が強い。ここは意外でした。


質感的には申し分ないのですが、音色のバリエーション的には若干の物足りなさを感じます。
もちろんWurlitzer 200Aの”いかにも”な音を使いたいと考えるぶんには、上のスクショに見えるようなバリエーションで充分なのですが、もっと漠然と「この曲に合う”何らか”のエレピを使いたい」といった局面では、Rhodesを始めとしたその他の選択肢にすぐ手が伸ばせる音源、あるいはスペクトルモデリングであるお蔭でロード/アンロードがすこぶる速いSamplesonの音源のほうが効率よく扱えるでしょう(これはこれで、一癖あるのだが)。


ベロシティとの連動やダンパー動作との連携は、使用するMIDIキーとの相性もあるので何とも言えませんが、既に持っているその他のWurlitzer音源で物足りない、あるいはまだWurlitzer音源をお持ちでない方にとっては、次に手を伸ばすべき選択肢として間違いはないと思います。
個人的には、エレピに関しちゃKeyscapeの牙城がなかなか崩せないかなと思ってます。音色バリエーション的にも。
ただ、先ほども記したように、同じWurlitzer 200Aでありながら、質感に大きな違いがあり、独奏場面があるならRhodes Wurliのいわゆるintimateな演奏感触はKeyscapeのそれを圧倒しているように思いますね。
もちろんintimateな音ばかりが求められるものではないので拙速に判断できないのですが、大まかには、アンサンブルとして用いるならKeyscape、腰の入った演奏に用いるのならRhodes Wurliが良いといえます。