Sampleso “Floppytron”

某所で紹介されていて気になったので、Samplesoというメーカーの Floppytron を試してみました。
少しおもろい変な音、という括り。

THE FLOPPYTRON SYNTH — Sampleso
THE FLOPPYTRON SYNTH — Sampleso

数年前に話題になった、フロッピーのドライブで音楽を奏でるというアレのサンプリング音源です。
興味ない方には全く興味のわかないものかもですね。
こういうやつ。

音色(ねいろ)としては若干センの細いエレクトロハウスかダブステのベース、または状態の良くないアルコで弾いた薄い胴のコントラバスという感じ。
WavetableでもないしShapeを変えられるわけでもなく、Floppytronに収められているのはあくまでもフロッピードライブ1種類のサンプリング音。
果たしてそれで日本円で5,600円ほどというのを高いと見るか安いと見るか。

THE FLOPPYTRON SYNTH — Sampleso
THE FLOPPYTRON SYNTH — Sampleso

実際のところ、130個にも及ぶプリセットサウンドがなかなか秀逸。
使い潰せるかというと微妙ではあるのですが、たった1種類のサンプリング音にもかかわらず、またKontaktの中のモジュールを組み合わせているだけなのにこれだけ幅が出ますか、と。
感心を得たので個人的には5,600円の価値がありました。
この仕組みのままフロッピードライブ以外のオーディオファイルを読み込めたら、椅子の軋みやバスのドア開閉のブザー、ジッパーを勢いよく上げる音、いびきなんかを録音して放り込んで使ってみたいくらいにはデフォルトのプリセットに満足しています。

特にステップシーケンスを組まれたプリセットがインチキ臭くなくていい。
ここ1年ほど色んなソフトシンセの、シーケンスを組まれたサウンドにヒントを得ようと思うことが多くて、でも案外どれも攻め具合が低く、んで、探してるうちに「やーめたっ!」てしょっちゅうなってました。
LogicのMIDI FXのアルペジエーターのほうがよほどノリがいいわ!と結局自作フレーズに戻って、先月末辺りはノリノリ(死語)で制作していたんですが。
そういった中では、いい具合に使いたさを刺激するガチ寄りのシーケンシャルフレーズです。

作者自身、プリセットサウンド作りに手応えを感じたのかわかりませんが、別売りとして50個の拡張プリセットも販売されています。

独特の音のかすれ方、揺れ、金属的なアタック感は他の一般的なサンプリングライブラリーにはあまりない感じじゃないですかね。
使いどこさえ間違わなければ悪くない音源だと思いました。