Reveal Sound “Spire 1.1”

Spire とは

EDM系、特に(今の) Progressive House 寄りの方々がよく使う印象のある Spire を今さらながら導入してみました。
以前 Demoを使用したときは特に印象なかったんですが、いま作ってるジャンルには導入したほうがよさそうってことで、改めてじっくりと。

シンセにこだわりのある人向け

一通りパラメーターをいじってみての感想としては、シンセの音作りにこだわる人のためのパラメーターをよくきっちり備えたもんだという印象。

Phase SyncのOn/Offはもちろんのこと、Poly/MonoでのGlideモードのこの挙動、Waveform表示の正しさ、FilterのSerial/Parallelの操作しやすさ、Unison発音時の設定、内蔵エフェクターのパラメーターとバリエーションなど。
色んなソフトシンセありますが、大体このどれかが欠けていましたからね。
DAWからオートメーションもさせやすく、良き。

惜しいのはオシレーターのWaveform選択やフィルターの種類選択、内蔵のエフェクターのMode選択などは長いプルダウンになっていて見づらい。
プリセット音色だけ使う人は平気だろうけど、一から作りたい人にとっては、操作が増えてストレスになります。
MassiveのWavetable選択画面だと横方向にもリストが開いてリーチしやすいのだけど。

Stepperは、MassiveのPerformer、AlchemyのMSEG、UVI FalconのMulti Envelopeに比べると、素早くエディットしやすい仕組みですね。
16セグメントを2段に分けて表示してるのもなかなかクレバー。
この工夫をプルダウンメニューにも活かしてくれるといいのだけど…。

サウンド

出音のクオリティ面で称えるべきは、サンプリング周波数の高い再生環境で鳴らしてもきっちり高い帯域が生成されること。
高負荷の懸念があったり、他ソフトシンセとクオリティ的に共存させにくくなる懸念もありますが、ここ一番ってときに使うことで有効に活かせると考えれば好都合。

フィルターは汎用度の高いものが揃っていて、scorpioは揺れた効果と質感が独特。

内蔵エフェクターはShaper, Phaser, Chorus, Delay, Reverbと固定(on/offは可)で、種類としては多からず少なからずだけど、パラメーターがスマート。
ShaperのDriveはいわゆるWave Shaper。
Reverbもちょうどいい粒度。プリディレイにテンポシンクが付いてます。
いずれも加減がよくて、DAW側のエフェクトそっちのけになるのですが、stem(multitrack)形式でデータ納品する場合には頭の痛い問題になりそう。
Serumみたいにエフェクター部分だけリリースしてくれてもいいのよ。


追記:その後の感想。

サウンドクオリティは高いけど、少し前に出過ぎかな。
良くも悪くも、隠し味という手法が不要なEDM向きかといえる(悪口ではない)。

各パラメーターのほとんどが1000までの数値で制御されるため、dBとかHzに慣れている人にはモヤッとポイント。
数値すら表示されないMassive同様、感性重視系といえそう。
MassiveやAlchemy、Serum等と比べるとパッチングの仕組みは視認性が低い。

Filterが各オシレーターで共用されているのも残念。

X-Comp機能を利用したプラックサウンドは作りやすく、プリセットも充実しているため、プラックを鳴らすためだけに導入してもよさそう。

決定的に僕自身がSpireに対して「この用途でSpireを選ぶことはない」と考えるのは、シンプルなサウンド、たとえばサイン波や三角波などを使いたいとき。
シンプルなサウンドをSpireの機能をくぐらせて鳴らす期待値は非常に高いのだけど、既述のようにWavetable内の波形はいくぶん粒が粗く、EDMのベースのような引き締まった音には若干仕立てにくい印象があります。

Reveal Sound “Spire 1.1”” に対して1件のコメントがあります。

  1. sappho192 より:

    確かに私の周辺にあるTranceあるいはProgressive Houseの作曲家たちは、以前まではSylenth1を使うのが大勢だったが、今ではSpireを書くことが大勢ですね。1.0に比べてインターフェースが微妙に改善されたようですね。良いレビューありがとうございます。

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