Plugin Boutique “Radio”

Screenshot of www.pluginboutique.com

Plugin Boutique “Radio”(Plugin Boutique)

注意 : 現在複数の環境で、起動してもラジオステーションのリストが更新されない症状が発生しているようで、原因は定かではありませんが、何らかの形でハジかれている可能性があります。受信できないのであれば、現状、購入しても意味がないと思われます。

Radio っていう2017年にリリースされたソフトが33%オフになってるという知らせ。
国内で幾つかこれを紹介してるサイト見たんですが、製品ページに書かれている注意に触れてないっぽい。
このように記されています。

Important Notes: 

  • Radio is designed for listening to the radio while you work or for inspirational purposes.
    (仕事中のリスニング用途、もしくはインスピレーション元として使うためのもの)
  • The copyright of all sources remains with the creator, publisher or other rights holder.
    (ラジオ音声の著作権は各制作者や出版社、その他の権利所有者に属します)  
  • If you want to use any sound material recorded from Radio you will need permission from the rights holder.
    (本ソフトで録音した素材を使用する際には、権利所有者の許諾をご自身で得ること)
  • You should ensure that you comply with any legal restrictions for recording streamed audio that may exist in your country.
    (ストリーミングラジオ録音におけるあなたの国のいかなる法的取り締まりにもあなたは従わねばなりません)

2つ目の制作者と出版社っていうのは特にそれが音楽や物語だった場合を考えるとピンと来ますかね。

てっきり延々とラジオっぽい素材が収録されているのかと思ったら、ホントにラジオが流れて、データとして残せる仕組みなんですね。
そう、原則として、インスピレーション元としての用途。

思えばネットラジオ初期、Windows Media PlayerやiTunesにはネットラジオ局が多数リストアップされてました。
ストリーミングラジオをオーディオデータとして残すための手法が綴られたサイトもありました。今だと成人向け動画や動画サイトの動画を手元に残すようなもんか。
実際そうしたラジオ素材を使った音楽を作った経験は僕にもありますし、PCが無かった時代には韓国かロジアのラジオ放送を受信してMTRに流し込んで曲の背景音として使ったりもしました。
買ったレコードからサンプリングしたことも。

ラジオ音声、古いムービーの音声、近年だとアニメのセリフや主題歌なんかも曲作りのインスピレーション元として格好の素材なんですよね。
素材制作販売会社も初期は何らかの音源を無断録音して販売していて、だけど繁盛し出してからは「こりゃマズい」と、ナレーターや声優に古いイントネーションで喋ってもらったり、ミュージシャンに古い調子で演奏してもらって販売するようになっていきました。
今はミュージシャンの出番も減り、打ち込んだフレーズが販売されることが増えました。お蔭で生々しくベタなブレイクビーツは欲しくても案外見つからない。

だいぶ昔にNative Instrumentsかどこかがクリスマス企画としてフリーで配布してたと思うんですが、Movie Dialogueっていう製品がありまして。
Loopmastersで見るとVol.5くらいにまでなってるのかな。

Screenshot of www.loopmasters.com

Movie Dialogue Vol. 4(Loopmasters.com)

これも実際の映画のセリフや音楽を切り出したもの。
ただし、見ると素材はCreative Commonsの扱い、つまり元ネタが何であるというのを作品のどこかに示す必要があったり、よけいな加工をしてはいけない(CCLの内容によるが)。

このソフトで簡単に素材化できるようになること自体が悪いとは思わないし、あくまでインスピレーション元または取っ掛かりとして使用し、本ちゃんのトラックで別の手製の素材に置き換わるのであれば、有用であることに変わりはありません。
しょうがない…という言葉は好きじゃないけど、ダラ聞きしていて「おっ!」と思った瞬間のネタを捉え漏らすよりは、残せたほうがいい。

著作権かぁ、面倒な…と思う人もいるかしれませんけどね。
だけど、むしろそのイリーガルな素材から置き換え可能な、よく似たリーガルな素材をリーガルなサイトもしくはローカルから探すのが面倒なのであって、しいていえばSimilar Content Detecter的なツールがあったらいいなと思うのです。いや、思いつきですけど。

余談。
曲を組み立てるときやミックスするときの技法でラジオボイス加工や電話音声加工みたいなのあるじゃないですか。低域と高域を殺して少し歪ますやつ。
去年、今年と2年連続で、学校で学生に聞かせてる課題曲(ここ2年以内の曲)にその手法のリズムループが入ってたのですが、ラジオ加工って説明しようと思ったら、今の世代だとラジオ音質ってのにピンと来ないよな、と思いました。
手法的に王道は王道なんだけど、シャドウグルーヴとか別の言い方しないといけなそう。