久しぶりに制作中のスクショなど

入稿完了した、M3で頒布予定の Quadrifoglio の制作中画面のスクショなど(いずれ消すかも)。

“Quadrifoglio”

いとうかなこさん、島みやえい子さん、SHIHOさんと一緒に作りました。

「ハッピー🍀」がテーマ、全6曲というコンセプトのもと、昨年秋ごろから準備を始めてました。
M3、スペースは 第二展示場1階 か-17a,b となっています。
2スペースですが島中なので、お越しの方はお隣のご迷惑にならぬようお願いします。

枚数さばき切ったら、4人で台湾に行こうかなんて話も出てたりします。皮算用。
私事ながらだいぶ妻の病状が恢復したし(長かった…)、そろそろ自身を労いたいなって気持ちも。

スクショ

オムネモア:ボーカルトラック数多め。抑揚大きなバラード。

オムネモア:ボーカルトラック数多め。抑揚大きなバラード。

お弁当を届けに:15年ぶりくらいに作るタイプのアレンジ。

お弁当を届けに:15年ぶりくらいに作るタイプのアレンジ。

Diary:唯一ピアノパートを手弾きし、唯一楽器のソロが入った、シティ・ポップ調のもの。

Diary:唯一ピアノパートを手弾きし、唯一楽器のソロが入った、シティ・ポップ調のもの。

KITE : カントリーロック調。ギター弾けるといいんだが。

KITE : カントリーロック調。ギター弾けるといいんだが。

Desiderio:最終的に今作ではボツにした元気なロック調。

Desiderio:最終的に今作ではボツにした元気なロック調。

Look Up! : EDM調だったけどドラムを生音系にしたもの。Ableton LiveとReWire接続しつつ作成。

Look Up! : EDM調だったけどドラムを生音系にしたもの。Ableton LiveとReWire接続しつつ作成。

たからもの:差し替えたポップ調のもの。フィドル(バイオリン)をフィーチャー。

たからもの:差し替えたポップ調のもの。フィドル(バイオリン)をフィーチャー。

距離感

作曲面での新しい要素、今回は特になし(=冒険はしてない)ですが、この名義でこの作風は初めてというのが幾つか。
身近な「ハッピー🍀」が綴られた詞が中心だったので、ボーカルやオケはドライ気味。ボーカルの距離感も近めです。

楽器

ギターの比率がかなり高いです。アコギとエレキ半々くらい。
かなこさんの「KITE」のラップスチール(≒スライド・ギター)は色々試した末、物理モデリング音源使って鳴らしたのがちょっと面白かった。

今回もちょっとピアノに依存し過ぎましたかね。
エレピはRhodesを使わずWurlitzerだけ。音圧の整理がしやすいKeyscapeの出番が多かった。
ベースは今回弾いてません。あと島みやさんの「お弁当〜」はベースパートがありません。潔し。
ストリングスのアピールはだいぶ控えめ。
金管は2曲でしか使っておらず、1曲はほぼ金管が聞こえない。
ドラムは先日この日記に書いたハイブリッド(複数の音源の組み合わせ)なドラムセットを主に使ってます。

かなこさんの「Diary」で使ったホンセクは、先日のLogic Pro Xのアプデで備わったStudio Hornsの出番でした。
Kontaktのホンセク音色に比べて生々しく、曲には合ったのですが、読み込みに時間がかかるのと単純にはフリーズが利かないのが難。

SHIHOさんの2曲とも実験的に厚めのハモりを捏造してます。ビブラート強めのシンセでボコーダーかけるとこうなります。

音色選び

SHIHOさんの「たからもの」はバイオリン音色を使用していて、この旋律を何の楽器に担わせるか実は年またいで4ヶ月もの間迷ってました。
結果、当初あった4パートが一気に不要になり慌ただしさがなくなりました。
「音が据わればトラック数なんて少なくていい」と最近ずっと思っていた、その感覚が確認できた瞬間ですかね。
でもこの感覚を普遍的な摂理と考えちゃうと視野狭窄になっちゃうので、手法の一つと考えることにします。

アレンジ

毎度のことですが、気の赴くまま作ってます。
アレンジ面も特に変わったことはせずで、特記すべきは珍しく転調がほぼないことくらい。
ボツにしちゃいましたが、Desiderioではわりとエゲツない転調をしてました。歌は既に録ってあるので次の何かの機会で。

島みやさんの「お弁当〜」については、ベタかなあと思いつつオケをゲートでOn/Offしていて、考えてみたら15年近く前のDJMaxのA Lieや、数年前のLogic本に載せたリトルリトルサテライアのデモで既にやってました。
個人の制作ではなるべく同じ手法を二度やらないようにしてたので(最近はそこまでシビアじゃない)、ぼちぼち耄碌し始めたかな自分、と思いました。

制作期間中にふと、ドラムがのんびりと数小節叩いてから始まる曲が近年非常に少ないことに気付いて、かなこさんの「Diary」では2小節だけドラム先に叩かせました。いまアラフォーくらいの人は少し懐かしい気分になるかも。

EQ

制作途中から、これまたLogic Pro Xのアプデで加わったVintage EQをガンガン使いました。
Tube EQのDIP、ATTENおよびDRIVEの効果はあまりにデカく、依存していたRothAIRとSootheの出番が圧倒的に減って、コンプすら邪魔で外したくらいです。
でも完全に出番無くなったわけじゃなく、使う場面を吟味できるようになった程度。

マスタリング時の周波数分布もちょっとだけ気を使いました。とある海外のマスタリングエンジニアのチュートリアルに倣って。
いつもより大人しめに聞こえると思います。これに伴い、全体の音量も少し抑えめになってます。

ざっとまとめると

個人的に、何かの楽器や手法に依存し過ぎてないか確認することを本作での課題としました。
いつも時間を掛けてるところを時間掛けずに、いつも時間掛けてないところを時間掛けるようにという感じで向き合うと、自分の頭の堅さや苦手が自覚できるみたいなとこあります。
冒険してないと冒頭に書いたけど構造や仕組み、段取りの面で冒険したとは言えるかもしれません。

「ハッピー🍀」と一言に言っても、爆発するような喜びから小さな喜び、自分の喜びと与える喜びと分かち合う喜びなどさまざまな概念があって、まとまり切るかどうかは最後の1曲が仕上がるまでわかりませんでした。
ジャンル的にバラけてはいますが「穏やかな熱量」とでもいうようなものが通底してるのではないかなと思います。
むかしMixiで友人が僕のことを「穏やかな熱量を湛え」だったか「冷静と情熱のあいだ」だったか評していたのをふと思い出しました。懐かしいですね、江國香織&辻仁成ですか。