続いてNFR(評価版)いただきました Virtual CZ 。
これも製品自体は少し古く、2014年にはあったよう。
ぶっちゃけ、CZよく知らんのです。名前はしょっちゅう聞くのに。
Macで動くPhase Distortion(以下’PD’)シンセって、フリー(GPL)だとDigitsがあります。EGが少し気に食わない。
有償だとUVI Cameoとか、あとWiggleもかな。ReasonのThorにも選択肢としてあります。
PDってのはオシレーターによりますがSerumでいうところのWarpなどのように働き、硬い音になるってより潰れた音になるとお考えいただくとよいか。
一方のオシレーター波形の読み込みペースをもう一方のオシレーター波形がコントロールするようなもんで、基本的には元のオシレーター波形から著しく音色が変わることはありません。
NFRいただいた機会にプリセットをざっと鳴らしてみて、Vaporwaveなどのレトロな界隈で聞けるような典型的な音色以外に、初期のPCゲーム(ファミコンではない)の効果音のようにハデに跳ねる音が幾つもあって、いつ使うんだって気がしつつもポテンシャルを感じます。
とはいえ何せPDシンセシスでの音作りに関しちゃ初心者なので、どこまでできるのかは把握できてません。
Wiggleのようにオシレーターのひしゃげ具合が目で見えると幾分ラクだろうになあ(YouTubeや、ReaktorライブラリーでPDの効果が把握しやすいもの無いかと探したけど、ちょうどいいのがなかなかない。ReasonのSubtractorをReaktorで再現したものは見つけたけど、いま探してるのはそれではない)。
難点である歪みやすさはローカットで
音楽的に実用度の高い音色を求めるのならプリセットのBank C辺りが使いやすい。
しかしPDシンセシスは仕組み上、FM以上にDCオフセットに影響を与えやすく(音を変えるってより形を変える仕組みなので)、ものによっては適宜ローカット等の処理を加える必要があります。
次の動画は、そのまま出力して歪んでしまった音色を前半、EQでローカットしただけの音色(スマホで動画を見られない方はページ最下部からNon Ampページにして御覧ください)を後半として収録したもの。歪み具合とローカットの効果がわかりやすいかと。
せっかくのキラキラした音色がDCオフセットズレの犠牲になって歪んでいて、根本的な解決手法ではないもののローカットすることでマシになってます。
ローカット崇拝者じゃありませんが、こういった現象を防ぐのに有効なら迷わず使います。
PDシンセシスのある意味弱点であるベース音色の線の細さ。
これは仕方ないので、低域を補強する必要あれば別途サブベースを別チャンネルででも鳴らして対処します。
つか、先ほど書いたようなオシロスコープ的なビューワーと、このサブオシレーター機能追加したものがCZ改みたいな形で出現してくれんもんか。
ちなみに線の細さに関連して、この間、作品でベースパートが前に出すぎて困るってんで逆に線を細くしてみようとKlevgrändのDAWLPっていうのを使ったら、PDライクに音が潰れて意外と良かった。やり過ぎは禁物。
何か足りないってときの隠し味かなあ
どういう場で使えるかっていうと、フィーチャーするならやはりレトロ調な曲に絞られそう。
しかしさっきの動画で鳴らしたような、減算方式でもWavetableでもFMでも無理げな”痛くない高音”、あと”太すぎない低音”にも魅力や必要な場面が確かにありそうで、便利な選択肢として欲しい気持ちがありますね。
となるとコストと出番とのバランスが鍵。
むろん正規の値段で買うのが業界の健康的に良いのだけど、ユーザー目線で考えて、セール時期を狙わざるを得ないなと思いました。
今はまだですが、5/30から他のソフトにバンドルされる形でセールが始まるそうで(そのときになったらこの記事からリンク張ります)、手を出すにしてもそれからでいいでしょう。
馬鹿正直にいうと、聞く限りあまり美味しそうなバンドルでもないので、もうちょっと都合いいタイミングを待ってもいいと思いますよ。