Piapro Studio NT2のサンプルレートが頻繁に再設定される現象について

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Piapro Studio NT2のサンプルレートが頻繁に再設定される現象について

うちだけかもしれませんが、Logic Pro上(Rosetta設定時)でPiapro Studio NT2を使用している際に、頻繁にサンプルレートの変更が検出される現象が発生しています。
開発班にいちおう報告済みではあるのですが再現性がないようで、特定環境下のマシンでのみ発生している可能性があります。

実はこの現象に遭遇したのは一週間ほど前のことなのですが、自分の環境でも充分な再現性がなく、今日、ようやくある程度発生原因がつかめましたので、もしも同じ状況にある方がおられたら参考にしていただけると幸い。

まず、だいぶ昔から言われているLogic Pro特有の動作として、選択状態にあるインストゥルメントトラックが、Logic Pro再生時に負荷を与えがちです。

Tips on keeping CPU low?
byu/madferitNYC inLogic_Studio

なので一般に、Logic Proで「なんか重いな」と思ったら、重くなさそうなトラックを選択状態に変えるというハックがあります。

推定される原因と対策

結局のところ、原因はおそらくその現象のいわば反転で、Piapro Studio NT2を選択していない状況下だと、Logic Proの再生停止後5〜8秒後にPiapro Studio NT2がLogic Proの制御下からいったん外れてしまう…だけど外れてしまっては困る、アワアワ…みたいなのが本件の挙動を引き起こしていると考えられます。

ちなみにネイティブ動作(Rosettaモードを使わなくても充分な能力を発揮できる状態)時には、ホストとプラグインの直接の連携が切り離されるため、この問題は発生しません。

この現象を防ぐには、以下のどちらかが当面のワークアラウンドと考えられます

  • 常時、Piapro Studio NT2をインサートしたトラックを選択しておく
    • しかしそれは創作工程上、非現実的なので、Piapro Studio NT2をインサートしたトラックの[R]を点灯させて録音待機状態にしておく、または[I]を点灯させてインプットモニタリング状態にしておく
  • Piapro Studio NT2をソフトウェアインストゥルメントとして使用するのは諦め、オケをDAWで作り上げてからスタンドアロンのPiapro Studio NT2に読み込んで使う

正直、DAWとプラグイン側のどちらが決定的に悪いとも言えない印象なのですが、もしかしたらJUCEのほうに手落ちがある可能性もあって、開発側としてもいかがいたしたものかってとこかと思います。

なお、うちではCubase LEでも同じ現象を見かけており、上記推定も少し怪しい。少し怪しいけど、Logic Proにおいては上記の対策で実際に回避できています。

複雑な機能を持ったソフトウェア(特にプラグイン)の安定動作を図るのは、思っている以上に難しいんだなと思わされた次第です。


ちなみにCubaseの場合だと「バックグラウンド時はASIOドライバーを解放する」にチェックが入ってると、この現象が起きやすくなると思います。細かくチェックしていないため定かではありませんが。