Oversampling、なじませに関するPro Audio Files記事

Oversamplingの効能

Oversampling in Digital Audio: What Is It and When Should You Use It? — Pro Audio Files
Oversampling in Digital Audio: What Is It and When Should You Use It? — Pro Audio Files

Fabfilterかどこかのチュートリアルビデオでも以前この点に触れられていた気がするのですが、昨日、Pro Audio Filesでもオーバーサンプリングの役割が解説されています。

早い話、サンプリング周波数が低いとこに高周波を突っ込むと、本来の音とはかけ離れた音に変貌しやすい。比較的わかりやすいのは、レゾナンスの効いたフィルターをSaw Waveに対してグニュグニュ動かして、その音のサンプリング周波数をある程度まで下げてやると、かつてダブステでよく使われた(今もたまに聞く)ボエーって声みたいな音になる、みたいなやつ。あれはサンプリング周波数を単純に下げたせいでもともとなかった周波数が爆誕したせいで声みたいな音になっちゃってるわけで。
通常よく耳にするサンプリング周波数44.1kHzや48kHzの状況下で、単純なサイン波にディストーションをかける際にもこの現象が起きてしまうため、信号処理の途中にいちどサンプリング周波数を倍以上に上げ(いわゆる天井を高め、跳ね返りを起こしにくくすることで)回避するというのがオーバーサンプリングの理屈ってことになります。
当然ディストーションだけでなく、いわゆるサチュレーターやモジュレーション系のエフェクトでも起きるので(もっぱらデジタル環境下で)、より生々しい効果を得ようと思ったらオーバーサンプリングの力を借りられたほうがいいでしょうね。

録音環境の差異の軽減

4 Tips for Marrying Recordings from Different Studios — Pro Audio Files
4 Tips for Marrying Recordings from Different Studios — Pro Audio Files

もう1つ、Pro Audio Filesから、環境の異なるレコーディングテイクを馴染ませるにはという記事。
各パートがどういった環境で(カブリを含め)録音されたものかを知り、その環境をある程度再現/再構築(ルームエミュレーション)し、色付けや空気感の演出に有用なカブリを(曲と一体になるように)取りまとめ、重ね録りの重ね録りっぽさを軽減するため定位を調整する(収録時にトラックごとに演奏者の立ち位置を調整するのも有効)など、超ざっくりとかいつまむとそんな感じ。

記事中から張られた過去記事(6 Tips for Taking the Bedroom Out of Bedroom Recordings — Pro Audio Files)や、さらにそこから張られた過去記事(5 Neve 1073 Emulation Plugins — Pro Audio Files)もためになります。
ちなみに海外記事で見かけるbedroom productionというのは、不可侵の自分の部屋や家で制作を行うというニュアンスがあって、日本でいうDTMに近い。向こうの記事でDTMって言葉を見かけた記憶がないんで和製英語かなと思います。いや見かけても忘れてるだけかもしれませんが。