ミックス作業中 210823

特にチェケするような新製品も見かけないので、今やってる作業でも。
これ系の記事、久しぶりか。

某ミックス風景210823
某ミックス風景210823
某ミックス風景210823
某ミックス風景210823

平日の定時後および土日を使う形で12曲分のミックス作業中。締め切りは月末。
レコーディングデータは96kHz, 32bitで、全部アコースティック楽器ということもあって非常に精細に収録されています。Logicがはやく32bitデータを開けるようになってくれると、より緻密さを狙えるんですけど、いつになることやら…。
スクショの解像度が低めなのでわかりにくいと思いますが、胡弓とピアノと歌(+語り)という、自分が比較的苦手(だけど好き)な小編成のユニットのサウンド。アンビエントを含めた複数マイクで録っていて、それゆえに弱音時のノイズにはナーバスになります。むむ、ノイズかと思ったら自分の喉が鳴った音だったりとか。

2,3曲試しては聞き直して、違うな…と感じるものは手法を変え、納得できれば他の曲に反映して、と行ったり来たりで案外時間を費やします。理想の音になる手順が定まるまでは通らなければならない道ですね。
特にピアノは自分も大好きな楽器で、見たところ何も調整してないふうで、かつ挿してあるエフェクトも少ないのですが(たくさん挿せば何とかなるというのもそもそも正しくはないのだけど)、地味に細かく設定を調整してあって、生らしさを喪わない、かつ温かみを優先した響きにしています。ソフト音源みたいな音になったらアウトです。
この曲の場合はシンセなど上乗せしていますが、他の曲だと編成が若干変わって音圧に影響が出たり、当然曲調も変わります。全体の雰囲気が大きく揺れたりしないように調整します。
そもそもがきちんとスウィートスポットの活かされたテイクだったため、レベルや音質的に困る部分はほとんどありませんでした。一曲だけ、テイクのつなぎを失敗したのか、音が途切れたものもありましたが、幸い今は自宅でもセッションデータを直して書き出せるようになりました。

空間系エフェクトについては、一通りの歌や歌詞を考慮してやや薄めにかけたラフミックスを上げたんですが、埋もれるくらい濡らしてほしいとのことだったんで濃いめになってます。
ピアノは繊細なタッチ(強音のあとの弱音など)を残さないと生楽器を使った意味がないんで、リバーブは極めてかすかに余韻が響く程度に抑えてあります。
ただまあ、時間がかかったのはまさしくそこで、ポップな用途でならウェットとドライが同居してても演出とか言い張れば問題ないんですけど、意味を持つ曲でそれらに正当に同居してもらうには、ミックスで歌やフレーズのコンテキストを保持しないといけない。なので、ちょうどいいバランスを探す必要がありました。
エフェクトのチョイスについては、ふだん使っているSpace Designerが思いのほか音の消え際が雑であることがわかり、一方アルゴリズミックリバーブだと地に足がつかない感じで虚しく響いてしまうため、ひさびさにAltiverbを持ち出しました。それでもちょうどいいIRデータは見つからず、リバーブテールの長さを基準に選び、パラメーターで微調整し、最終的に別途ダイナミックEQを使って中低域を抑えることにしました。そう、コンボリューションリバーブはハウる直前みたいな雰囲気になりやすいので、ある程度ピッチに揺らぎのある音に対してのほうが効果的。

歌やソロ楽器のピッチ補正について、今回は声質、楽器の特性を理由として、かなり細かく音符を切り刻んで補正してます。ブロッブスの数はいつもの3〜4倍くらい。補正するべき量の多さがポイントではなく、自然さを喪わせないため。
ピアノが441Hzであるのに対して、歌と胡弓はやや高めでピッチ補正してあり、さらに胡弓はビブラートが高めに出ないと「らしさ」が出ないので、ビブラートだけ高めに補正をかけています。

たぶんまだいじると思います。思うところも多々あるので。
マスターに挿しているものは、ある種バイタライザー的な用途。これでバランスを整えて、このあとマスタリングかけます。おのおの設定はかなり薄め。
これがどの程度効果を示すか、あと書いた内容が参考になるとも考え難いのですが、書き残しておいてもまあいいかな、ってことで。