Ocean Swift “Dystopia Diary”

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Ocean Swift “Dystopia Diary”

先日Porphyra Hybridを取り上げたばかりのOcean Swiftから新作Dystopia Diaryがリリースされています。
NFRいただいて折角なので簡単にレビューを。

情報
  • Kontakt Player 8 以上(製品ページに記されていないので注意)
  • 16GB
  • 定価€60、イントロ価格€40

動画は動きが少し不自然なのでAIが絡んでるのではないかと推測。まあそれはいいのだけど。

機能、操作性

ものによってはかなり長大なサンプルを読み込む必要があるため、ときたまロードに時間がかかります。でもまあ耐えられるレベルです。
いわゆるディストピア、ポストアポカリプスを思わせる不穏な生音サンプルおよびシンセサンプルが大量に収録されており、そういった映像作品に対するサウンドデザインには重宝すると思います。日本的なサウンドかというと少し違うけれども、昨今はそこまで日本的な不穏サウンドが必須とされる機会も多くなくなってきたので、そこらはあまり心配しなくてもよさそうですし、手持ちでたとえば虫の鳴く秋の夜とかカラスの鳴き声とかチョロチョロ水の流れる音だとか比較的日本人好みの素材を持っていたら、ユーザーサンプルとしてロードさせることも可能なので、有効利用できると思います。

再生の仕組みとしては、いかんせんKontaktの能力がボトルネックになるので、要するにKontaktで出来ない加工は行えません。たとえば映像作品にもともと入っているサウンドのトランジェントをトリガーとしてサンプルを鳴らしたり、映像に同期してピッチを変えるようなこと。
ただ、有り難いことに素材は無圧縮(つまりncwやnkxフォーマットではなく44.1kHz/16bitのwav)で収録されているので、そういった処理に向いたソフトをお持ちならば、Kontaktを使わずにそちらをお使いいただくことは可能です。

なので、個人的な評価としてですが、Kontakt用ライブラリーとしての価値よりも、素材集としての価値のほうが高かろうという感じ。
むろんシンセ音やノイズ等はKontaktを経て鳴らすほうが制御しやすいとは思いますけどね。
似た位置付けのもの、つまり映像向けの優れた音効を揃え、Kontakt経由で扱いやすくするといったスタンスのデベロッパーとしてKeepForestがありますが、あちらは(ロスレス)圧縮フォーマットで素材を収録しているので、他ソフトから鳴らすことはできません。その代わり、Kontaktで鳴らすならどういう形態で収録されているのがよいか熟慮されてるように思えます。

となると、製品にどういったサウンドが収録されているのかがもっぱらカギになるでしょう。
製品ページおよびOcean SwiftのYouTubeアカウントでのチュートリアルでけっこうな数の収録サンプルを確認できるので、そちらをご覧いただくといいかなと。