Native Instruments “Komplete 11”

切羽詰まってというわけではないのだけど、何か自分にもたらすものがあればってことで Komplete 11 にアップデートしました。

Kompleteとは何か

何人かレッスンや話をして、大枚はたいてKompleteを購入したはいいがこれが何だかイマイチわからないという方がわりといるように感じた。
この機会にいったんここで超ざくっとまとめておく。

Native Instruments社の製品ほぼ全部入りのパッケージ

大きく分けると、サンプラーのKontakt、オーディオ処理プログラム兼シンセサイザーのエンジンでもあるReaktor、エフェクターのフレームとしても機能するギター用エフェクターGuitar Rig、あとはそれ以外のシンセやドラム音源群およびツール群(雑!)。
多くはDAW抜きつまりスタンドアローンでも使用できるので、ただ鳴らしたいならスタンドアローンがラク。

細かい使い方については割愛。機会あれば、たぶん無いけど、別に書くことにする。

Native Accessのユーザビリティーはあともう少し

Native Access

Native Access

先立って、マイマシンへのNI製品のインストール状況を管理するソフトがService CenterからNative Accessなるものに変わり、少しだけわかりやすくなった。
Komplete11もNative Accessを通じた完全ダウンロードでのアップデートができるようになっていて、処分に迷うインストールディスクとはおさらばできるようになった。
しかしNative Access自体に若干動作不良があるようで、ダウンロードでのインストール処理が内部で中断された場合にユーザーの目に進捗状態が全くわからず、延々と待てばよいのか強制終了してよいものか(強制終了するとインストール製品の管理状態がめちゃめちゃになる場合がある)。
安心して使えるようになるまではまだ少しかかりそう。

他にも自社ソフトウェアのマネージャーが各社から提供される昨今だが、はっきり言って「ないほうがマシ」と思えるものもある。
マネージャーソフトが失態をしでかすと場合によっては被害甚大になる(OSレベルのクラッシュの可能性もある)ので、万全なものを提供してほしい気持ちもあるし、一方、ユーザー側も充分健康なマシン状態で使用するなどもう少し慎重でありたい。

追加された機能の有用性は

Reaktorで動く「FORM」なんてのはリリース後数日の間にエラくあちこちのサイトでレビューされていた。
実際少し触ってみたら、掘り下げると何かしら面白いサウンドを作れるかもなとは思った。
エンベロープのプリセットが相当数あるので遊ぶには困らなさそう。

ほかにReaktor用に追加となった「Flesh」は以前紹介した「FLOWs」の兄弟分。
インスピレーションのもとにはなるけれど潰しの利くものというよりショウケースといった印象。

Tim Exile “FLOWs”

邦楽、要するにJ-pop、J-rockの範囲内の制作を行うのに適したソフトウェア音源を尋ねられることが非常に多いのだが、決まって僕の場合は「無い」と答えている(そういう質問をもらうくらいだから、相手はベテランではない)。

具体的にどんな音を求めているかにもよるけど、今のソフトウェア音源の多くはリアリティまたはニッチのいずれかのベクトルを向いていて、ガンガン数を作っていきたいタイプの人に都合のいい、軽量でいじりやすく一定以上の品質のものって無いと思う。
せいぜいHalionかSample Tankが限界かと。
一方、バンドサウンドと合わせるようなソフトウェアシンセだと、所有するDAW純正のものでだいたい事足り、仮に少し背伸びして買い足すにしても、高価なものでなく知名度の高いもののほうがいいのでは、と思う。
多くのプリセットサウンドはバタ臭かったりエグかったりするため別途わざわざ邦楽向きの音を自作する必要が生じる → この時あまり多機能なものを使うと、よほどMっ気がない限りギブアップしてしまうことが想像できる → ならばシンプルでしっかりした音が出る’知名度の高いもの’を選んだほうが制作モチベーションを維持できるのではないか。という具合に。
日本円で8,000円くらいが目安だろうか。そのくらいまでなら、扱いやすいソフトシンセとおおむね見なせるのではないか。
誤解のないように再度書いておくが、音作りに意地になれるなら少々値の張るものに手を伸ばしていいと思う。Kompleteはそれに応えるもの。

あと今回のKontaktに追加されたIndiaやStrummed Acousticといった音源も、邦楽系の制作に一発ネタとして使えはしても、手に入れて「やった!」と喜べる代物とは言いにくい。他の人とカブっただけで「パクり」と言われる心配もあるしね。

かなり辛口になってしまったけど、まとめとして。
これまでNI製品をまったく持っていなくて、この機会にMassiveもReaktorもGuitar Rigもと買い揃えておいて、いつしか自在に使えるようになる!という決心があればコスパは良い。そうでないならば、長物と成り果てる可能性がある。

操作性 ★★★★☆
レスポンス ★★★☆☆
音質 ★★★★☆