草の根的なソフトになりますが、こちらはVST, VST3, AU環境で動作するMIDIプラグインで、画面に放り込まれたMIDIデータ（これはそのうちMIDIレコーディングされる方式になると予想）のコードなりフレーズを複数のアルゴリズムにのっとって変換し、別途フレーズを派生させるもの。
音楽の要素におけるミューテーション（変異）には昔から興味があったので、「おっ！」と思いました。Absynthにたしか音色のミューテーション機能がありますね。最近はダイス（サイコロ）の絵のついたようなランダマイズによる音色/フレーズ生成機能などが主流ですが、ミューテーションだと、元のデータをベースとしながらその構造を部分的に変えるため取り返しのつかないことになる可能性が低い。
現状はまだ、思いついたものをゴタゴタと突っ込んだようなインターフェースで、直感的とは言いにくく、動画解説もあるわけじゃないのでわかりづらい。
和音の絡んだフレーズの打ち込みってのは存外しんどくて、たとえばラテンのピアノのトゥンバオみたいなのを心地よく聞こえるようにベロシティやデュレーションを調整しつつ、コード進行にのっとって変化しつつ、無機的にならないように時折フレーズに変化を交えつつ、なんてやってると途方もない時間と生命力を消費します。レイブっぽいシーケンスフレーズしかり、ユーロビートのシーケンスフレーズしかりで、根性でどうにかできる歳じゃなくなってくると尚更。
どうにか白玉和音が勝手にフレーズ化されてくれないかってのは頭を過るのです。洋楽のように4コードくらいで済むのならまだ何とか。コードモードが備わったアルペジエイターでも4重和音以上が可能なもの見かけませんし。
まだまだMIDI Mutatorにしてもそれを実現するまでに程遠いのですが、AIなり何なりの技術が進んできたらこの辺りもきっとだいぶラクになるんかなと思う次第。