Kontakt : 飾り付け その他メモ

最近、 Kontakt の使い方にもっと自分ならではの要素を加えられないかってこと考えてます。

DAWに搭載されたサンプラー機能つれづれ

Logic のサンプラー機能である EXS は決して不便というわけではないのだけど、2点不満があって、

  • お手製の音色パッチを作ってシステムに保存する際の妙な待ち時間がいただけないこと(環境によるかもしれない)
  • この待ち時間を回避するために音色パッチをプロジェクトのあるディレクトリに保存するようにしても、その後の制作で音色を流用しようと思ったときに案外リーチしにくい

Finder 等での操作同様、 Logic の「すべてのファイル」にプロジェクトフォルダを Finder からドラッグしてくるとディレクトリ瞬間移動できるのですが、”あのとき使った何だかいう曲のあの音色”っていう漠然とした記憶を辿るしんどさは軽減されません。制作記録を一元管理していても制作活動歴が長ければそれなりに膨大な量のバックアップがありますんでね。
そこで、作った音色パッチを保存するときにはそれを使った曲のタイトルを付けて保存することで多少しんどさを軽減してますけど、抜本的な対策になってない気がします。

Ableton LiveのSamplerモジュールが秀逸
Ableton LiveのSamplerモジュールが秀逸

VST, AUプラグインなどざっとチェックしてみましたが、Macでという前提の時点で分母がだいぶ小さくなるんで、サンプラー多用する作風の人はAbleton Live一択になるのは当然かなと。

KVR: Free VST Plugins, VST3 Plugins and Audio Units Plugins (AU) for Mac OS X Sampler
KVR: Free VST Plugins, VST3 Plugins and Audio Units Plugins (AU) for Mac OS X Sampler

Kontakt のEGリリース

Native Instruments : Absynth
Native Instruments : Absynth

以前 Native Instruments の Absynth のEGリリースが美しくない的なことを書いた気がするのだけど、最近自作音色を作るのに毎日のように使っていたKontaktのEGリリースも冷静に聞くと美しくないですね。
NoteOff をトリガーとしてサスティンペダルのノイズや共鳴音を鳴らすピアノのような音色だとEGリリースが美しくなくても問題ないんでしょうけど。
どうも指数/対数(音程、ベロシティ、音量など、音の世界は指数/対数が基本)な減衰に聞こえない…。

Kontakt いじりのメモ

Native Instruments : Kontakt
Native Instruments : Kontakt
  1. 既述だが、先に空のラックを作って、上のスクショでいう緑のところにドラッグしてくるときホールドしたまま枠内を上下することでゾーンの広狭を操作できる。
  2. 上のスクショでいう緑囲み2つ目の Source モードはデフォで DFD (メモリ消費を軽減する仕組み)になっていると思うが、 Sample に変更すると、 NoteOn トリガーでの Sampleスタート位置が操作できるようになる。ベロシティに連動させるもよし、ランダムに設定するもよし。
    複数のノートを同じタイミングで鳴らしたときにはたとえランダム設定でも同じ値が返されるような気がする。
  3. ディレイタイムなどと同様、msと記された辺りをクリックするとテンポシンク可能な値に変更できる。値を大きくするときに時計回りにする場合と反時計回りにする場合とあるので、一見最大の値に見えてももっと大きくできることがある。

Logicでのクロスフェードループ

波形にクロスフェードを反映する
波形にクロスフェードを反映する
視覚的な説明を試みた図
視覚的な説明を試みた図
EXSでのループ設定。LogicメインウィンドウではEqPの略称が、ここではE.Pwr。略称は一貫させようぜ、Apple。
EXSでのループ設定。LogicメインウィンドウではEqPの略称が、ここではE.Pwr。略称は一貫させようぜ、Apple。

今どきのサンプラーソフトウェアはそのソフトウェアの中でクロスフェードループを設定できるからほとんどの場合気にしなくていいのだけど、思うところあって、波形の時点でクロスフェードループを反映させるなら…と考えて、こうしました。
波形の時点でクロスフェードループってのはつまりその波形をただ繰り返し鳴らすだけでグリッチが乗らないオーディオデータってこと。ふつうはお尻から頭に戻るタイミングで波形がつながらないからそこでグリッチになる。
波形を1個置いて、前後のリージョンを縮めたもの(非破壊編集で)を2個並べて、そのリージョン間にインスペクタでクロスフェードを設定。このクロスフェードの長さは、先ほど縮めた長さより短くしないとダメ。
で、この2つ並べたリージョンを1個のオーディオファイルにバウンスしたら、今度はハサミツールで端を切って中央部のみにトリムする。つまり元のリージョンの1個目どこかの地点と、2個目のリージョンでの同じ地点で切ることで、お尻と頭がつながることになります。

理屈上ハサミで切らなくてもリージョンを縮めてやればいいんだけど、何故かゼロクロスの設定をしようがしまいが選択範囲がうまくつながらず、ハサミで切る以外ありませんでした。
あとはこれをきっちりデータをトリム(破壊編集)して、念のためDCオフセット除去してやれば、クロスフェードを内部的に行えないサンプラーにも気兼ねなく取り込んで使えることになります。

脱 Convolution Reverb

Kontaktのは正直パッとしないなあと思いました。ちなみにお手製のIRデータはKontaktの Convolution の画面にドラッグしてくることで使えるようになります。

この数年コンボリューションリバーブよりアルゴリズム式リバーブを使うようにしています。
元来コンボリューションリバーブは周波数ごとの余韻を記録したような仕組みのもので、帯域の広い音色や揺れのある音色に関してはいい感じでかかるけれど、短周期な音色や安定した音色に関しては響きにくく、曲調によっては音圧が無駄に膨れやすいなと。

Drummerトラックを作成したときも、BusにSpace DesignerとChorusが現れる
Drummerトラックを作成したときも、BusにSpace DesignerとChorusが現れる
新しく加わったChromaVerbにもModulation機能がある。
新しく加わったChromaVerbにもModulation機能がある。
純正アルゴリズム式リバーブの1つ、SilverVerbにはModulationの機能がある
純正アルゴリズム式リバーブの1つ、SilverVerbにはModulationの機能がある
Valhalla DSPのValhalla ShimmerにもModulation機能が。
Valhalla DSPのValhalla ShimmerにもModulation機能が。
Audio DamageのEOS2にもModulation機能が。
Audio DamageのEOS2にもModulation機能が。

Logicのチャンネルストリップ設定でBusにSpace DesignerとChorusがささったものはこの現象の対策かな。
先日のアップデートで追加されたChromaVerbにはModulation機能が付いてますね。

それでも Convolution Reverb

とはいえKontaktのジェネラルなリバーブは少々パラメーターが少なすぎるんで、使いやすいIRを自作してConvolution Reverbで鳴らすしかないなと。

Tone2 : Icarus
Tone2 : Icarus
Apple Logic Pro X : Space Designer
Apple Logic Pro X : Space Designer
ドラッグして反映
ドラッグして反映

Tone2 Icarus でインパルス音を作って、Logic の Space Designer の Synthesized IR をかけます。
ミックス時に無闇に音圧が上がるのを避けるため、目を超粗くしてFabfilter Pro-Qで帯域を調整し、Kontaktの Convolution に放り込むと、白玉音のソースに対してイイ感じで残響が残るようになりました。

Kontakt内で Delay を使うことでも多少KontaktのEGリリースのそっけなさを誤魔化すことができました。


Kontaktにオーディオデータを突っ込んでループで鳴らすまで

(1)空のKontaktを開く(DAWのプラグインとしてでもOK)
(1)空のKontaktを開く(DAWのプラグインとしてでもOK)
(4)オーディオファイルのゾーンはこのように設定される(変更したい場合は随意に)
(4)オーディオファイルのゾーンはこのように設定される(変更したい場合は随意に)
(7)ループポイント設定でクロスフェードかけてもグリッチ乗ることがあり、あまり信用できない
(7)ループポイント設定でクロスフェードかけてもグリッチ乗ることがあり、あまり信用できない
(2)オーディオファイルをKontaktウィンドウ内にドラッグ。
(2)オーディオファイルをKontaktウィンドウ内にドラッグ。
(5)Wave Editorを開いてやるとどうもループの設定はされてないようだ
(5)Wave Editorを開いてやるとどうもループの設定はされてないようだ
(3)オーディオファイルと同名のモジュールが自動でできる
(3)オーディオファイルと同名のモジュールが自動でできる
(6)ループをONにする。2番以降のゾーン設定は、凝ったことやろうとでもしない限り使わない
(6)ループをONにする。2番以降のゾーン設定は、凝ったことやろうとでもしない限り使わない

Envelope等へのルーティング

(1)サンプルそれ自体の鳴り方の操作。早い話、高い/低い鍵盤での鳴り方の変え方
(1)サンプルそれ自体の鳴り方の操作。早い話、高い/低い鍵盤での鳴り方の変え方
(4)Modボタン(あれば)を押してEffectに対してエンベロープを設定できる
(4)Modボタン(あれば)を押してEffectに対してエンベロープを設定できる
(2)回路上に複数あるEffectsはそれぞれ内容が異なる。ここでは元のオーディオデータに対するエフェクト
(2)回路上に複数あるEffectsはそれぞれ内容が異なる。ここでは元のオーディオデータに対するエフェクト
(5)ahdsrという一般的なエンベロープを選んでみる
(5)ahdsrという一般的なエンベロープを選んでみる
(3)LP4というフィルタを突っ込んで新たにその設定画面が表示されたとこ
(3)LP4というフィルタを突っ込んで新たにその設定画面が表示されたとこ
(6)ModulationにEnvelopeが追加される。郵便ポストの口みたいなボタンをクリックして、ルーティング状態を確認できる(わかりにくい)
(6)ModulationにEnvelopeが追加される。郵便ポストの口みたいなボタンをクリックして、ルーティング状態を確認できる(わかりにくい)

MIDI操作子やDAWオートメーションからの制御

(1)Kontaktの左上タブでAutomationを選び、MIDI CC#をパラメーターにドラッグ&ドロップしてアサイン完了
(1)Kontaktの左上タブでAutomationを選び、MIDI CC#をパラメーターにドラッグ&ドロップしてアサイン完了
(3)その他、DAWでのオートメーションパラメーターリストに整理し直すことも可能
(3)その他、DAWでのオートメーションパラメーターリストに整理し直すことも可能
(2)1つのMIDI CC#で複数のパラメーターを操作することも可能
(2)1つのMIDI CC#で複数のパラメーターを操作することも可能
(4)MIDI CC#を直接設定するのも可。ここではCC21でループ長を制御することに(画面中央部)
(4)MIDI CC#を直接設定するのも可。ここではCC21でループ長を制御することに(画面中央部)

Instrument OptionsとScript Editor

通常触れる機会はほとんどないが、動作の軽量化を期すときやカスタムメイドの音源を作り込むときには触れざるを得ない。

(1)既存のnkrファイルを指定するか、新たにnkrを含むリソースフォルダを作る
(1)既存のnkrファイルを指定するか、新たにnkrを含むリソースフォルダを作る
(3)指定後の表示
(3)指定後の表示
(2)新しくリソースフォルダを作るときのアラート
(2)新しくリソースフォルダを作るときのアラート
(4)あとは情報入力。Tabキー利かないのでめんどくさい。あと、Authorの箇所は日本語不可(強制終了する)。
(4)あとは情報入力。Tabキー利かないのでめんどくさい。あと、Authorの箇所は日本語不可(強制終了する)。
(1)Scriptにはプリセットでレガートやポルタメントなど多くの機能が備わってる。
(1)Scriptにはプリセットでレガートやポルタメントなど多くの機能が備わってる。
(4)先ほどのリソースフォルダに既にテキスト形式のスクリプトファイルがある場合はここで指定。
(4)先ほどのリソースフォルダに既にテキスト形式のスクリプトファイルがある場合はここで指定。
(2)レガートとポルタメントの設定画面。既存の音源に対しても機能として追加できるが、Group状態が複雑だと混乱するので注意。
(2)レガートとポルタメントの設定画面。既存の音源に対しても機能として追加できるが、Group状態が複雑だと混乱するので注意。
(5)見よう見まねでパラメーター調整用のノブなど作ってみる。
(5)見よう見まねでパラメーター調整用のノブなど作ってみる。
(3)自分でスクリプトを組んでもよし。ここではアイコン部分と背景画像を指定してみた。
(3)自分でスクリプトを組んでもよし。ここではアイコン部分と背景画像を指定してみた。
(1)ノブにカスタム画像を設定するにはスプライト状態の画像ファイルを作る必要があって、ここではJKnobManというのを使った
(1)ノブにカスタム画像を設定するにはスプライト状態の画像ファイルを作る必要があって、ここではJKnobManというのを使った
(2)作って書き出した画像と同じフォルダに、このような内容のテキストを作成して画像と同じファイル名で保存しておく
(2)作って書き出した画像と同じフォルダに、このような内容のテキストを作成して画像と同じファイル名で保存しておく
(3)適宜スクリプトを書いて、Applyボタンを押すとこのようにノブがカスタマイズされる。
(3)適宜スクリプトを書いて、Applyボタンを押すとこのようにノブがカスタマイズされる。
(4)背景画像もこの通り。
(4)背景画像もこの通り。

スクリプトの細かい内容については、英文だが、KontaktをインストールしたアプリケーションフォルダのNative Instruments > Kontakt 5 > Documentation内にReference ManualというPDFがあるのでそれを読む。

Learn how to create complex UIs & functions with full tutorials and scripts for download
Will Bedford is a composer, providing music and virtual orchestration for games and visual media.
Home of Kontakt GUI Maker and finest Kontakt instruments.

KonstruktorもKontakt Gui Makerも説明が言葉足らずで肝心なところがわからなかったので、少々英語が苦手でもプログラムがさっぱりでも、YummyBeatsを読むほうがよほど役立ちそう。

【履歴】

  • 180531 記事一本化