AUMatrixReverb に関するメモ書き

AUMatrixReverb に関する評価

AUMatrixReverbとはMacにもとから備わっているAudioUnitsプラグインの1つ。
Appleの汎用プラグインがかなり使えるって話は以前からこの日記でも何度か記したんだけど、GUIが整っているとも言い難いし、ドキュメントも見当たらなかった。

この間、手持ちのどんなリバーブをどんな設定にカスタマイズして使ってもしっくりこないケースがあって、頼みの綱としてAU Matrix Reverbを使ったら予想以上に馴染んで、改めて驚いた次第。

ネットでの評判を見ていても、2005年の時点で、

True it is better than the Platinum Reverb in Logic, but the Waves RVerb is better than either.
(確かにLogicのPlatinum Reverbよりよほどいいね。WavesのRVerbはそれ以上にいいけど)

と評されていたくらい(macOS Audio • View topic – Nice Matrix Reverb from Apple)。

各パラメーター

パラメーターが若干煩雑なので自分なりに整理しておきます。

Properties
Render Quality Maximumが当然よいが、Medium以上のクオリティならばそんなに大差ない。
LowやMinimumはLo-Fiなサウンド作りにも使えそう。
Global
Dry/Wet Mix ドライ/ウェットのバランス。
最近のLogic Pro Xは、ドライ音量とウェット音量を個々に操作できる形にプラグインのアップデートがなされていますが、このプラグインはLogicの管轄ではないので当分このようにドライ/ウェットのバランスを取るスタイルが保持されると思われる。
Small/Large Mix Small RoomとLarge Roomのアルゴリズムのミックスバランス。
Pre-Delay どうやらSmall Roomに対してのみ作用するっぽい。
Modulation Rate こちらは逆にLarge Roomに対してのみ作用するっぽい。
反射音の連続による発振を抑制するために、反射音に周期的な変化を与えるLFOの周期。
Modulation Depth 上記と同様。
Small Room
Small Size 反射音同士の間隔。
Small Density 反射音の密度、つまり減衰時間の長さ。
Small HiFreq Absorption 高域の減衰率。
値が大きいほど高域の残響持続時間が長いので、今どきは上げめにしといたほうがよさげ。
Small Delay Range どうやらDiffusion(反射音を不規則に散らす)の度合いと思われる。
値が小さいほど整い過ぎて耳障りな音になりやすい。
Large Room
Large Size Small Roomのそれと同様。
Large Delay 後部残響(Reverberation)の開始タイミング。
基本的にこれを原音にピッタリ付けることはできないので、それをするならGlobalのSmall/Large Mixを使ってSmall Roomの残響とバランスを取っていく感じになると思う。
Large Density Small Roomのそれと同様。
Large Delay Range Small Roomのそれと同様。
Large HiFreq Absorption Small Roomのそれと同様。
EQ
Filter Frequency シングルバンドEQの周波数設定。
Logic Proで現在開いているプロジェクトのサンプリング周波数の設定次第で各ナイキストまで最大値は変動。
Filter Bandwidth シングルバンドEQのQ幅設定。単位はdB/octと思われる。
Filter Gain シングルバンドEQのゲイン設定。

気に入ったIRを呼び出せば済むコンボリューションリバーブと違い、数字で組み立てていくリバーブはたしかに慣れてないとコントロールしにくいけれど、変に生々しくならず音が過密になり過ぎず、埋もれにくいのでサッと仕事を上げちゃいたい場合にはむしろ重宝。

先ほど引用したBBSでオススメ設定として挙げられているものがありますが、個人的にはもうちょっと目が細かく、それでいてシルキー過ぎない、やや上ずったくらいのリバーブ感が好きなので自分用の設定を作ることにします。

項目に単位が記されていないのを見て、ふと2009年の奥村先生の「波形グラフの縦軸? | Okumura’s Blog」記事を思い出しました。