MelodyneをMIDI制御エフェクトとして起動できますが、しかし…

何に使おう

つまりサイドチェーンとしてMelodyneを使えるってことなのですが、どうも活用の場が思いつかない。
“Side Chain” Melodyne、もしくは”MIDI Controlled Effect” Melodyneでググってみたものの、これといった検索結果も得られずです。つか、CelemonyでのMelodyneレファレンスの検索機能が機能を果たしてくれず結構がっくしきます。

MIDI制御エフェクトとして起動したとこ
MIDI制御エフェクトとして起動したとこ
コントロール表示で見るとこうなる
コントロール表示で見るとこうなる

今のところ、思いついたのは、

  • Melodyne加工前後の音声を同時に鳴らせる
  • リアルタイムでMelodyneに録音できる(サイドチェーンじゃなくてもできるけど、何らかの特殊な環境下ではこの手法がワークアラウンドになるのではという話)

こんなとこですが、後者はARAを使うのと大差ない。
で、MIDI制御エフェクトとはいえ、MIDIを受け付けるわけではないようで(昔はあったと聞く)、MIDI制御エフェクトとして使用する場合に限らずですが、Pitch, Formant, Volumeの3つだけオートメーションパラメーターを持っているに過ぎません(スクショ右)。かつてのPresonus NotionのReWire動作を彷彿とさせる特殊な仕様ですね。
このオートメーションパラメーター、Pitch, Formant, Volumeは、それらをグリグリ動かしてもプラグインとして動作しているMelodyneのビジュアルに何の変化もなく、効果自体はあるものの、どうしたもんかという感じ。

3パラメーター?

スタンドアローンのMelodyneを立ち上げるとトラックというパネルがあって、ここにPitch, Formant, Volumeがあるので、これに相当するものをコントロールするのかなという気がちょっとしてます。

スタンドアローン版では、ここにPitch, Formant, Volumeが
スタンドアローン版では、ここにPitch, Formant, Volumeが
プラグイン、スタンドアローンいずれにも備わったシンセ部分とは関係ないっぽい
プラグイン、スタンドアローンいずれにも備わったシンセ部分とは関係ないっぽい

Melodyneのめったに使わないシンセ部分(スクショ右)と関連していそうにも思えたのですが、この機能をバイパスしてもオートメーションの効果が聞けたため、直接の関係はなさそう。

Modifierを噛ませてみる

こう設定することで、MIDIキーからMelodyneのPitchを制御することはできる
こう設定することで、MIDIキーからMelodyneのPitchを制御することはできる

MIDIのノートを受けることができないなら、MIDI FXのModifierでノートナンバーからMelodyneのPitchをコントロールすればよいのでは?と思って、右図のように設定してみました(Re-Assign Toは、Melodyneプラグインの表面にPitch, Formant, Volumeが見えない以上設定できないか…と一瞬思ったのだけど、冒頭に載せたようにコントロール表示にすれば指定できます)。
で、こう設定してみたはよいのだけど、MIDIキーがLatchモードにならないのがイマイチなのと、そもそもModifierのScaleを全開に設定してもNote Numberと音程を一致させられない(Modifierを2枚重ねにしても変わらなかった)のと、そもそもPitchは「どのピッチで鳴らすか」でなく「鳴った音のピッチをどこまでズラすか」をコントロールするものでしかないので、要するに別段面白いものでもなかった。
仮にMIDIキーで歌のピッチをめちゃめちゃに変えられるとしても、他にもっとストレートなソフトがあるので、わざわざMelodyneでやる意味ないですよね。

結論として、時間かけたわりに何も得ずじまい。

Ableton LiveでMelodyneを編集用に使う

余談ですが、Ableton LiveはARAに対応する予定ないと聞いていて、Melodyneに分析させるひと手間がめんどくさいと聞きます。ちょっと面白いなと思ったのが、AbletonのForumで見かけた手法。

サンプルエディタをMelodyne.appに設定
サンプルエディタをMelodyne.appに設定
サンプルクリップの[Edit]でMelodyne.appが開くようになる
サンプルクリップの[Edit]でMelodyne.appが開くようになる

環境設定のFile, FolderのサンプルエディタをMelodyne.appつまりスタンドアローン版Melodyneに設定しておくと、スクショ右のようにサンプルクリップのEditをクリックしたときに当該サンプルクリップがMelodyneで開かれる、と。
基本的には元サンプルクリップを上書き保存(回避方法はある)してしまうとはいえ、サンプルクリップが読み込まれた瞬間にオフラインで分析されるため、ずいぶん時間が短縮されるとのこと。
ただ、スタンドアローン版はオケなしで再生されるだけなので、オケとの馴染み具合でピッチ補正の可否を判断する習慣のある人には向かない気がします。
ReWireで同期再生できれば多少違ったかもしんない。Ableton Link? これはそういう目的のものじゃないですもんね。